資産運用
2026.01.27

不動産投資を始めると、毎年必ず向き合うことになるのが確定申告です。「会社員でも必要なの?」「何を準備すればいいの?」「どこでつまずきやすい?」といった疑問を持つ人も多いでしょう。
本記事では、不動産投資における確定申告について、準備すべき書類・全体の流れ・注意点に絞って整理します。ぜひ参考にしてみてください。
この記事の目次
不動産収入を得ると、確定申告が必要になる場合があります。ここでは、確定申告が必要になるケースと、申告時の基本的な流れを解説します。赤字時の節税メリットも含めて、押さえておきたいポイントをまとめました。
給与所得のある会社員の場合、不動産収入から固定資産税や修繕費などの必要経費を差し引いた結果、不動産所得が20万円を超えると確定申告が必要です。

会社員であっても、不動産投資をしている場合は年末調整だけでは税務が完了しません。
一方で赤字が出た場合でも、給与所得と損益通算できるケースがあり、申告することで税負担が軽くなることもあります。
例えば、不動産投資で赤字が出ていても、給与所得がある場合、その赤字分を給与の黒字から差し引いて計算できます。その結果、課税対象となる所得が減り、所得税や住民税が軽くなる可能性があります。
「副業だから申告はいらない」というわけではなく、所得の有無や金額に応じて申告する義務が生じたり、申告したほうがお得になったりする点を押さえておきましょう。
不動産投資の申告が必要な人については
「【不動産投資の確定申告】申告が必要な人とは?税理士が解説」の記事をご覧ください。
不動産投資の確定申告では、大きく分けて3つの作業を行います。
この流れを理解しておくことで、確定申告全体の見通しを立てられるでしょう。
不動産投資の確定申告では、事前に必要書類を揃えておくことが重要です。以下に、確定申告時に必要な書類の代表例をまとめました。
| 書類 | 主な役割・確認される内容 |
| 賃貸借契約書 | 家賃額・契約期間・賃貸条件を確認するための基本資料。収入の根拠として保管・確認に使う。 |
| 家賃の入金明細(通帳・入金履歴) | 実際に受け取った収入額を裏づける資料。 |
| 管理会社の精算書 | 不動産収入・管理費・修繕費などをまとめて確認するための書類。 |
| 修繕費・管理費の領収書 | 必要経費として計上するための根拠となる資料。 |
| ローン返済明細 | 支払利息部分を経費計上する際に使用。 |
| 固定資産税・都市計画税の納税通知書(および納付を確認できる資料) | 税金を経費として計上するための書類。 |
| 取得時の資料(売買契約書・重要事項説明書・不動産売買の精算書) | 建物・土地等の取得価額の按分を確認し、減価償却費の計算根拠とする書類。 |
| 火災保険・地震保険の保険証券・保険料の領収書(支払証明) | 賃貸用不動産にかかる火災保険料は必要経費。 |
| 仲介手数料・広告費の請求書・領収書 | 不動産会社への仲介手数料や入居者募集の広告費等。 |
| 売買契約書の土地・建物内訳/固定資産税評価証明書 | 減価償却を計算するための資料。 |
以上の書類をあらかじめ用意しておくことで、申告作業がスムーズになり、計算ミスや申告漏れを防ぎやすくなります。
なお、給与所得がある人で医療費控除やふるさと納税を利用している場合は、それぞれの証明書類も準備しておきましょう。
詳しくは、以下の記事も参考にしてみてください。
「不動産投資の「雑費」、どこまで計上できる?税務署に疑われないためには」
「不動産クラウドファンディングの投資家が見逃しがちな「ふるさと納税」との併用効果とは?」
ここでは、不動産投資における確定申告の流れを5つのステップで解説します。
ひとつずつ順番に見ていきましょう。
不動産投資の確定申告は、1年分の収入と経費を正確に把握することから始めます。
家賃や更新料などの収入が分かる入金明細や管理会社の精算書を用意し、金額に漏れがないか確認します。あわせて、修繕費や管理費・ローン利息・固定資産税などの領収書や通知書も整理しましょう。
書類を月別・項目別にまとめておくことで、その後の計算や申告書作成がスムーズになり、申告漏れや計上ミスを防げます。
書類がそろったら、不動産収入と必要経費を項目ごとに整理し、年間の合計額を集計します。
収入は、家賃や共益費・更新料などを漏れなく計上することが重要です。経費については、管理費や修繕費・火災保険料・借入金の利子(※元本返済分は除く)・減価償却費など、不動産収入を得るために必要な費用を区別して整理します。
このとき、私的な支出を混ぜないよう注意しながら集計しましょう。
不動産投資で経費にできるものについては
「不動産投資で「経費にできるもの」「できないもの」って?税理士が解説」の記事をぜひご覧ください。
不動産所得の金額は、年間の不動産収入から必要経費を差し引いて算出します。
このとき重要なのは、減価償却費を正しく計上することです。減価償却費は取得価額や法定耐用年数等にもとづいて計算します。取得価額の内訳や建物の構造等を確認するため、売買契約書や重要事項説明書などの取得時資料も参照すると良いでしょう。
不動産所得が赤字の場合、原則として給与所得などのほかの所得と損益通算できますが、損失の内容によっては損益通算の対象外となるものもあります(例:土地の取得に係る借入金利息部分)。
計算の根拠を明確にしておくことで、申告後の確認や税務調査への備えにもなるでしょう。
不動産所得の金額が確定したら、確定申告書を作成します。
国税庁の「令和7年分国税庁の確定申告書作成コーナー」を利用すれば、画面の案内に沿って入力するだけで申告書を作成できます。
また、会計ソフトを使って作成しても良いでしょう。会計ソフトの例は、以下のとおりです。
不動産所得の内訳は、収支内訳書や青色申告決算書の該当欄に、収入・必要経費を正確に記入しましょう。入力内容に誤りがあると税額が変わるため、集計した数字と照らし合わせながら慎重に確認します。
作成後は控えを保存し、提出後も内容を確認できるようにしておくと安心です。
確定申告書が完成したら、期限内に提出して申告を完了させます。提出方法は、以下の3つから選択できます。
提出後、納税が必要な場合は指定された期限までに税金を納付しましょう。還付がある場合は、後日指定口座へ振り込まれます。
申告書の控えや添付書類は、後日の確認や税務署からの問い合わせに備えて保管しておきましょう。期限を過ぎると加算税や延滞税が発生する恐れがあるため、早めの対応を心がけたいところです。
不動産投資の確定申告をする際には、いくつか気をつけるべきポイントがあります。
まず、収入と経費の計上ミスに注意が必要です。家賃などの収入は計上時期のルールがあり、誤ると修正申告や更正の請求が必要になる場合があります。
また、内容が不明確な支出を雑費にまとめるのではなく、修繕費や管理費など適切な科目に分けることが重要です。支出内容や業務との関係が説明できないまま雑費として処理すると、必要経費に算入できないものが含まれる恐れがあります。
加えて、不動産クラウドファンディングの分配金は原則「雑所得」となり、不動産所得とは扱いが異なる点も誤りやすいポイントといえます。一般の不動産投資と不動産クラウドファンディングでは所得区分が異なることを押さえておきましょう。
不動産クラウドファンディングの確定申告については
「不動産クラウドファンディングの分配金は確定申告が必要か?」の記事をご覧ください。
不動産投資の確定申告は、初めて取り組むと難しそうに感じやすいものの、全体の流れを理解すれば過度に身構える必要はありません。
年間の収入と経費を整理し、所得を計算して申告するという手続きの流れはシンプルです。
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