【GOLD CROWD特集・第2回】予定年利7.31%を支える仕組みは?「AMA(4期)」の家賃・出資・買取りを読み解く
愛知県あま市の高齢者向け住宅「ゴールドエイジあま」を対象とする、GOLD CROWD(ゴールドクラウド)の40号ファンド「AMA(4期)」。特集の第1回では、施設の様子や投資額ごとの予定配当、募集日程をご紹介しました。
予定年利7.31%という数字を見て、どのような収入から配当が支払われるのか、運用を終えた資金はどう返されるのかが気になった方もいるのではないでしょうか。今回は、募集ページに示された家賃の仕組み、取得資金の内訳、運用後の買取り計画から、この案件の設計を読み解きます。
この記事でわかること
- 配当の原資となる家賃と、「実質家賃保証」の確認ポイント
- 優先出資・劣後出資・借入金の関係
- 施設運営会社による買取り計画と、資金返還までの流れ
この記事の目次
配当の原資は、運用中に得られる家賃
AMA(4期)は、運用中の賃貸収入をもとに配当を見込むインカム型のファンドです。物件の取得価格と運用後の予定買取価格は、いずれも7億2,000万円。取得価格を上回る売却益を狙う計画ではなく、建物を保有する間の収入が配当を支える設計になっています。

優先出資の募集額は2億2,000万円です。この金額に予定年利7.31%を掛けると、365日間の運用に対する税引前の予定配当総額は1,608万2,000円となります。個々の投資額ではなく、募集額全体に対して見込まれる配当の規模です。
ただし、家賃収入がそのまま全額配当になるわけではありません。物件の保有にかかる費用や借入金の利息なども支払う必要があります。予定配当を支える収支を見るには、年間賃料と費用を並べ、分配に充てられる資金がどのように計画されているかを確認することになります。
施設の公式サイトに掲載された基本家賃は、1室当たり月額58,000円です。仮に51戸すべてにこの家賃を当てはめると、月額295万8,000円、年額3,549万6,000円という計算になります。ただし、これは満室を仮定した単純な試算であり、実際の入居状況や、ファンドが契約に基づいて受け取る年間賃料を示すものではありません。
「実質家賃保証」は、どの収入を支えるのか
そこで関わってくるのが、募集ページで特徴として挙げられている「実質家賃保証」です。入居者が施設に支払う家賃と、ファンドが契約に基づいて受け取る賃料は、支払者や条件を分けて確認する必要があります。

例えば、入居者の入れ替わりがあっても契約上の賃料が維持される仕組みなら、個々の居室の空室と、ファンドの収入への影響を分けて考えられます。今回の契約でどこまでが対象になるのかは、賃料の金額・期間や、変更・解除の条件に沿って確かめたいところです。
あわせて、賃料を支払う会社の事業や支払能力も、継続的な収入を考える材料になります。「実質家賃保証」という名称だけで判断するのではなく、何を、誰が、どの条件で支える仕組みなのかを押さえることが大切です。家賃に関する保証は、投資家の元本保証を意味するものではありません。
事業者も7,098万円を出資。取得資金の内訳を見る
次に、物件を取得するための資金を見てみましょう。AMA(4期)では、投資家による優先出資、事業者による劣後出資、借入金の三つを組み合わせています。

優先出資と劣後出資は、損失の負担に順序を設ける区分です。契約で定めた範囲の損失は、事業者の劣後出資から先に負担します。事業者も資金を拠出し、投資家より先に損失を負担する仕組みが、優先出資を支える役割を持っています。
ここで押さえておきたいのが、劣後比率の計算対象です。募集ページに示された24.39%は、優先出資と劣後出資を合わせた2億9,098万円に対する割合。一方、借入金を含む取得価格に対しては、劣後出資の割合は約9.9%です。
同じ劣後出資額でも、比較する対象によって割合は変わります。そのため、24.39%という数字を、そのまま物件価格の下落に対応できる幅として読むことはできません。売却時には借入金の返済や費用の支払いも関わるため、出資構成と契約上の資金配分をあわせて見る必要があります。
運用後は、施設運営会社が買い取る計画
運用後の予定買主は、施設を運営するゴールドエイジ株式会社です。予定買取価格は取得価格と同額で、この売却によって投資家への資金返還を計画しています。対象物件を運営する会社が、運用後の買主として示されている点が、この案件の特徴です。

資金返還の流れを見る際は、売却額だけでなく、借入金の返済や売却にかかる費用も関わります。取得時の資金構成と売却後の配分をつなげて読むことで、ファンドの開始から終了までのお金の流れを把握できます。
また、募集ページに掲載された買取りの予定と、契約書面に定められた条件は区別して確認したいところです。契約の締結状況、実行条件、支払時期を確かめることで、資金返還の計画をより具体的に理解できます。
鑑定評価額は、評価された時点も確認する
募集ページには、7億5,300万円の鑑定評価額も掲載されています。取得価格を3,300万円上回りますが、評価日は2023年9月15日です。
取得価格と評価額を比較する際には、金額の差だけでなく、いつの評価なのかも押さえておきましょう。鑑定評価額は物件を検討するための参考情報であり、現在の価格や将来の売却額を保証するものではありません。
住宅の建築と施設運営を背景にしたファンドづくり
GOLD CROWDを運営するゴールドトラストは住宅建築や土地活用を手がけ、同じグループのゴールドエイジは高齢者向け住宅を運営しています。建物と施設運営の双方に関わるグループが、高齢者向け住宅を主な対象にファンドを展開しています。
2023年のOWNERS.COMの取材では、樋口氏は資金調達手段を増やすことと、介護事業の改善を目指すことを、クラウドファンディングに取り組む理由として説明していました。施設運営には介護サービスや生活支援サービスの収入もありますが、それらの売上がそのまま今回のファンドの配当になるわけではありません。
今回見てきた家賃契約、出資構成、買取り計画を、運営側はどのような判断で組み合わせたのでしょうか。特集の第3回では樋口氏に、AMA(4期)の物件選びとファンドづくりの背景を伺います。
※記載した利回り・買取価格は予定です。予定配当総額は、優先出資募集額に予定年利を掛けた税引前の試算です。満室時の家賃額は施設の基本家賃を用いた仮定の計算であり、実際のファンド収入を示すものではありません。投資を検討する際は、最新の募集情報と契約書面をご確認ください。ファンド情報の確認日:2026年10月6日。施設の基本家賃は2026年9月1日時点の掲載情報です。
出典:
GOLD CROWD「AMA(4期)」募集ページ/
ゴールドエイジあま公式ページ/
OWNERS.COMの2023年取材記事



