クラウドファンディング
2024.08.20
不動産投資を始める際にローンを利用すれば、自己資金以上の価格の物件を購入できます。しかし、計画通りの収益を得られなければ、ローン返済が滞ってしまう可能性があるので注意が必要です。そのような不安をもっている方には、ローンを活用しない比較的少額の不動産投資がおすすめです。この記事では、不動産投資ローンを活用するメリット・デメリット、ローンを活用しない不動産投資方法を解説します。これから不動産投資を始めようと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
この記事の目次
不動産投資ローンとは、投資用物件を購入する際に組むローンのことです。物件を購入するためのローンという点では住宅ローンと似ていますが、金利や審査基準が異なります。そのため、ローンを組んで投資用物件を購入する際は、住宅ローンではなく不動産投資ローンを利用しなければなりません。不動産投資ローンの審査では、申込者の返済能力だけでなく購入予定物件の収益性も審査項目となります。
不動産投資ローンを利用すると、少ない自己資金で大きな投資ができたり、手元に資金を残せたりするなど、さまざまなメリットがあります。ここでは、不動産投資ローンのメリットを紹介します。
レバレッジ効果とは「てこの原理」のことで、小さな力によって大きな効果をもたらす作用を意味します。不動産投資にあてはめると「少ない自己資金で大きな利益を得ること」です。
収益物件を購入する際、自己資金だけでは予算が限られてしまい、収益性の高い物件に手が届かない可能性があります。しかし不動産投資ローンによる借入金を活用すれば、自己資金だけでは買えない収益性の高い物件も購入可能になります。自己資金を抑えつつ投資効果を高められる可能性があるのです。
このように利回りが同じであっても、自己資金と借入金を併用した方が年間収益を高められる可能性があります。ただし、不動産投資ローンの金利が高い場合は、利息の負担が大きくなることで収益性が低くなってしまう場合があるので注意しましょう。
不動産投資をする際は、ある程度の資金を手元に残しておくことが大切です。投資物件を購入したあとに手元の資金に余裕がなければ、ライフスタイルの変化や不動産経営上のトラブルで急な出費が発生したときに対応できなくなってしまうからです。不動産投資ローンを利用すれば、急な出費に自己資金で備えられるようになります。
団体信用生命保険とは、債務者が完済前に死亡または高度障害状態となった場合に、保険金でローン残債が返済される保険です。債務者に万が一のことがあっても、遺族にローン完済済みの不動産を残せます。ただし、団体信用生命保険に加入するためには健康状態の条件を満たす必要があり、持病があると加入できない場合があるので注意しましょう。
不動産投資ローンを利用して物件を購入すると、利息の支払いが負担となったり、物件の購入に時間がかかったりする場合があるので注意が必要です。ここからは、不動産投資ローンのデメリットを紹介します。
不動産投資ローンを利用すると、元金の返済に加えて利息の支払いが発生します。たとえば、2,000万円を借入期間30年、金利3%で借りた場合の利息総額は約1,035万円です(金融広報中央委員会『借入返済額シミュレーション』にて、返済方式を元利均等方式で計算)。
変動金利を選択していた場合、借入当初は低金利であっても将来的に金利が上昇して返済が苦しくなる可能性があるので注意しましょう。
不動産投資ローンは、借り入れ時に融資事務手数料がかかります。手数料は銀行によって異なるものの、借入額の2%程度とされているのが一般的です。たとえば、借入額の2%の手数料がかかる場合、2,000万円を借り入れる際に40万円の融資事務手数料がかかります。借入額が高くなるほど手数料の負担も大きくなるので事前に確認しておきましょう。
不動産投資ローンを組む際は、金融機関の審査を受ける必要があります。審査を受けるためには、事業計画書や所得を証明する書類などのさまざまな書類を用意しなければならず、手間がかかります。書類をスムーズに準備しても、審査結果が出るまで数週間程度かかるケースもあるため、審査結果を待つ間に購入予定の物件がほかの人に購入されてしまう可能性があります。
不動産投資はローンを利用せずに始めることができます。不動産ローンを活用したくないと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
不動産クラウドファンディングとは、運営事業者がインターネットを通じて投資家から資金を集め、不動産を購入して運用する不動産投資です。投資家は、運営事業者から家賃収入や売却益の分配金を受け取ります。不動産の運用業務をクラウドファンディング事業者に任せられるため、手間がかかりません。また、案件によっては一口1万円からの少額投資が可能です。(⇒詳しくは『【初心者入門】不動産クラウドファンディングの仕組みと始め方を分かりやすく解説』へ)。
不動産投資信託(REIT)は、不動産投資法人が投資家から集めた資金でオフィスビルやマンションなど複数の不動産を購入して運用する投資商品です。投資家は、不動産投資法人が発行した投資証券を購入し、家賃収入や売却益の分配金を受け取ります。取引所に上場しているため流動性が高く、株式と同様に自由に売買できるのが特長です。最低購入金額はファンドごとに異なり、数万円~数十万円で購入できる銘柄もあります。
不動産小口化商品は、1つの不動産に対して複数の投資家が出資する不動産投資方法です。1棟の不動産を一口数万円から100万円程度に小口化し、得られた利益を出資口数に応じて投資家に分配します。 不動産小口化商品は不動産として評価されることから、相続税の節税効果が期待できます。
不動産投資ローンを利用すると、少ない自己資金で収益性の高い物件が購入できる可能性があるので、高い投資効果が得られる場合があります。ただし、利息が発生したり、物件購入までに時間がかかったりするデメリットもあります。
不動産クラウドファンディングやREITなど、ローンを利用しない不動産投資方法もあるため、それぞれの特徴を理解して自分に合う投資方法を選びましょう。