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不動産投資

2021.06.24

不動産投資で見聞きする「未公開物件」とは?魅力や注意点、紹介してもらう方法は?

不動産投資で見聞きする「未公開物件」とは?魅力や注意点、紹介してもらう方法は?

未公開物件とは?

「未公開物件」についての明確な定義はありません。

仲介による売却において、不動産会社は専属専任媒介や専任媒介で売却の依頼を受けた場合、「レインズ(不動産流通標準情報システム)」へ物件情報を登録することが義務付けられています。(一般媒介と不動産会社が売主の場合は任意登録)

レインズへ情報が登録されると、会員となっている不動産会社へ「公開」されたことになります。ただし、レインズによる公開はあくまで不動産会社間のため、限定的な「公開」と言えます。

また、売主や媒介を受けた不動産会社は

  • 自社のホームページや不動産ポータルサイトへ物件情報を掲載する
  • チラシやDMといった広告を打つ

などによって、一般に「公開」することもできます。
これらの公開される状況を踏まえて、「完全未公開物件」「未公開物件」の2つに分けてみます。

完全未公開物件

  • 売主と一般媒介で依頼を受けた不動産会社のみが情報を扱い、そこから限定的に紹介された不動産会社や顧客のみが情報を知っている物件
  • レインズや自社ホームページ含めて情報が一切公開されていない物件

上記を満たす場合は、完全未公開物件と言えます。

未公開物件

先述の通りレインズには登録されていても、情報登録した不動産会社が一切の広告を制限している物件情報は不動産会社以外の人の目に触れることがありません。
このように一般には公開されておらず、不動産会社にアクセスしないと入手できない状態の物件は「未公開物件」と言えます。

このように、一口に「未公開物件」といっても2つの程度があることを覚えておきましょう。

未公開物件とするワケ

物件情報を未公開とする理由は、

  1. 売主の都合
  2. 物件の特性
  3. 仲介不動産会社の都合

などがあります。

売主の都合による場合

一般に公開しない(したくない)例:

  • (個人の売主)賃貸住宅の入居者や近隣、親族などに不動産を売却することを知られたくない
  • (売主が不動産会社)買主が同業者やファンドですぐに物件を転売することを想定すると、同業者などが扱いやすいようにするため完全未公開物件にした

物件の特性による場合

一般に公開するメリットがない代表例:

  • 売主や仲介業者を問わず立地や価格など売買物件の条件が良く、すぐに売却できそうなもの
  • 不動産の規模・価格が大きく購入先が限定される物件の場合や、事故物件など格安で売却する場合

仲介する不動産会社の都合による場合

既存の顧客を豊富にもつ不動産会社や、地元で資金力のある顧客をもつなど物件を売買する能力に自信のある不動産会社の場合、媒介を受ける際には一般媒介として、一定期間未公開とすることがあります。

未公開物件の魅力と注意点

未公開物件の魅力と注意点を見ていきましょう。

未公開物件の魅力

未公開物件は、人気エリアの物件や価格の安い物件などすぐに売れることが未公開の理由である場合は非常に魅力的です。また、一般に公開されないことで購入にあたって競争相手が少ないことも、検討時間に猶予が多少増えるなどの魅力があると言えます。さらに、転売を前提とするような場合には、一般に公開されないことで取得した際の価格が知られず、転売しやすくなります。
不動産会社が買主の場合は、この点が重要なポイントになるのです。

未公開物件の注意点

未公開物件だからといってすべてが魅力的な物件とは限りません。
一般の方が未公開物件を検討する場合、未公開物件というだけでも競争相手が減るといった魅力はありますが、果たして投資に見合った物件であるか、自らの投資基準に基づいて判断することが重要です。実際、中には未公開というだけで公開されている物件に劣る物件もあるため、注意しなければなりません。

未公開物件を紹介してもらう方法

不動産会社が一般に公開できない物件情報を入手したとき、紹介する先は既存の得意先(すでに購入実績のある顧客)、購入可能性の高い顧客(予算や条件などがある程度合致している)などに限られる傾向があります。
そこで、未公開物件を紹介してもらう方法を紹介します。

不動産会社にアクセスする

まずは希望する物件を得意として扱っている不動産会社にアクセスすることが第一歩です。その不動産会社が得意とするエリア、一棟物件、区分マンションなどの物件の種類といった点を調べてアクセスします。そして、希望条件や自らの予算などを伝えておきます。
不動産会社からすると、特に希少な物件情報は誰にでも紹介するものではありません。紹介先がどういった物件を希望していて、かつ購入できるかどうかわからなければ、紹介することはありえません。
不動産投資の物件を探している一般の方によくあるのが、「『いい物件があったら紹介してほしい』といった漠然とした要望」と「誰もが購入したいような条件」です。
こうした方が未公開物件を紹介される可能性は低いものです。また、「資金的に購入できるかわからない方」へも紹介する優先度は低くなります。

専用サイトに登録する

昨今は、購入したい物件の希望を登録して物件の紹介を受けることができるサイトもあります。こうしたサイトを利用する場合でも、物件を紹介されるかどうかは登録する内容によって異なります。
例えば、好立地で高利回りなど高望みな条件だとまず物件の紹介はありません。上手な条件設定をして、まずは物件紹介をしてもらい、その中から取捨選択するようにするといいでしょう。

まとめ

不動産投資でよい未公開物件を見つけるためには、不動産会社を巡り、自分に合った信用できる会社や担当者を見つけ、人間関係を作ることが良い物件情報を紹介されやすくするコツです。
紹介されたときは、当然ながらその物件について、自分の判断で見極めることが重要になります。そして、紹介された物件について見送るのか、購入するのか素早い判断とともに、必ずその結果を不動産会社に伝えることが次の紹介に繋がります。

秋津 智幸
tomoyuki_profile

不動産サポートオフィス 代表コンサルタント。
公認不動産コンサルティングマスター 、宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー(AFP、ファイナンシャルプランニング技能士2級)。

横浜国立大学卒業後、神奈川県住宅供給公社に勤務。その後不動産仲介会社等を経て、独立。現在は、自宅の購入、不動産投資、賃貸住宅など個人が関わる不動産全般に関する相談・コンサルティングを行う。その他、不動産業者向けの企業研修や各種不動産セミナー講師、書籍、コラム等の執筆にも取り組んでいる。

この記事を書いたスタッフ

OWNERS.COM編集部