不動産投資
2021.04.19
東京都心を例に挙げると、ここ数年で物件価格は上昇していて利回りは下がっています。
ワンルームマンションであれば管理費などの経費を差し引いた、実質利回り(ネット利回り)が4%台前半レベルです。港区などの都心3区になるとさらに低い利回りになるケースもあり、高値警戒感を持っている投資家も増えています。
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不動産の場合、借入を活用した投資を行う場合がほとんどで、利回りだけでなく、借入金利との「利回り差」を見る必要があるからです。
調達金利が低いなら、不動産の利回りが低下しても投資の成果は変わらないということです。現状の借入金利は1%台半ばで、人によっては1%以下で調達できる投資家もいます。
運用利回りと借入コストの金利差が2.5%以上あれば、35年の長期ローンでキャッシュフローをプラスにすることもできます。現状の水準であれば、まだこの状態です。
日銀は金融緩和政策を継続する可能性が高く、当面金利が上昇する気配はありません。
国内の不動産投資では、タイミングよりも、むしろエリア選択を間違えないことが重要です。
日本全体では人口減少が始まり、将来的には人が住まなくなる限界集落のようなエリアが出てきます。そこまでいかなくても、東京でも23区以外では賃貸不動産の空室率が高まり、都心とは対照的に物件価格が下落し始めています。
今後、人口流出が予想されるエリアで不動産投資を始めるのは避けるべきでしょう。
物件価格が安く、低金利で資金を調達できたとしても、入居者がいなければ想定通りの家賃収入は得られません。
なかには、地方でボロ家を格安で買ってリノベーションをして貸し出し、高収益の賃貸経営を成功させている方もいます。しかし、それには独自のノウハウが必要で、リノベーションなどの手間暇もかかります。
不動産投資に時間を割ける専業の大家さんならまだしも、仕事をしながらでは簡単でありません。
そうなると、賃貸需要がこれからも安定的に期待できるエリアに物件を持ち、なるべく手をかけずに賃貸収入を得る方が得策です。
世界的に低金利は続いていて、不動産投資のリターンは他の資産と比較してもリスクに比べ魅力的だと思います。
目先の値上がり・値下がりだけを見るのではなく、5年、10年単位の資産形成という観点で投資を考えましょう。
ただし、金融機関によっては不動産投資を始める個人に対して融資に慎重になるところも出てきています。
金融機関の貸出動向、自分自身の資金計画を考えて、計画的に購入を進めていきましょう。