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2021.03.15

【連載:不動産投資における賃貸物件の保証人問題①】家賃保証とは?

【連載:不動産投資における賃貸物件の保証人問題①】家賃保証とは?

家賃保証の成り立ち

以前は入居者が部屋を借りる時に、必ず連帯保証人を立てなければなりませんでした。
理由としては、何らかの事情で入居者が家賃を滞納してしまった際に、大家さんであるオーナーは収入が止まってしまいます。
そのような時、連帯保証人に滞納した家賃を請求することで未払いリスクを抑えることができるわけです。

「貸し借り」というのは相手との信頼関係が大事であり、家の賃貸借契約においても入居者が賃料を払えるか、オーナーは貸す相手を見定める必要があります。
しかし、見ず知らずの相手をいきなり見定めるのは難しいですよね。

そこで連帯保証人を立てることで、オーナーが安心して住居を提供できるようになったわけです。

連帯保証人を設定する場合、入居者の両親や兄弟など親族にお願いすることが、当たり前の習慣として定着してきました。
しかし、少子高齢化や定住外国人・独居老人等の増加による影響もあり、

など、連帯保証人を設定できないケースが増加しており、部屋を借りられない人々が増えて社会問題にもなってきました。

そこで、この問題を解決するために誕生したのが「家賃保証」です。

家賃保証会社に加入すると、保証会社が連帯保証人の役割を果たすことになります。万が一、家賃滞納が発生した場合、保証会社がオーナーへ滞納した家賃を代わりに立替えてくれます。

さらに、家賃保証会社が家賃の回収業務まで代行してくれます。
オーナー側からすると、滞納した際の家賃が保証されるだけでなく、トラブルになりがちな業務を代行してくれるので、安心して入居者に部屋を貸すことが出来るようになりました。

高齢化社会における家賃保証の需要

2018年10月1日時点で、日本の総人口は1億2644万3千人(昨年対比26万3千人)、そのうち日本人だけの人口は1億2421万8千人(昨年対比43万人▼)となっています。
総人口・日本人の人口は、共に8年連続で右肩下がりが続いています。

参考:総務省統計局「人口推計」2018年10月1日調査(2019年4月12日公表)より

年齢別ではどうでしょうか。
上記のグラフは年齢区分別の日本の人口推移です。日本の人口が減る中で高齢者の人口は増えており、

となり、初めて65歳以上の人口が半数以上となりました。

特に、総人口に占める「65歳以上」区分(65歳~69歳)の割合は、2018年では過去最高の3557万8千人(全体の28.1%)となっています。

このように社会の高齢化が進み、入居者だけでなく保証人の高齢化も進んでいます。入居者本人は若年であっても、保証人としてアテにしていた親が高齢という理由で入居を断られるという事態も散見されていました。
結果、入居者本人の家賃支払い能力や、保証人の支払い担保力が社会的に低下して不安視されたことで、家賃保証のニーズは高まったと言えるでしょう。

また、保証人を設定できない独居老人の皆さんにおける「住まい確保」という問題においても、家賃保証というシステムが問題解決の一助になっていることは事実です。

次回は、2020年4月に完全施行された改正民法が不動産賃貸市場に与えた影響について解説していきます。

監修:堂下 浩
terahira_profile

東京情報大学総合情報学部・教授
1964年生まれ。早稲田大学理工学部卒業。同大学院理工学研究科修士了。テキサス大オースティン校で経営学修士(MBA)を取得。東京情報大学博士(総合情報学)。
(株)三菱総合研究所、(株)ジャフコなどを経て現職。パーソナルファイナンス学会理事、早稲田大学招聘研究員などを兼務。専門は金融論、ベンチャービジネス論。 著書に『消費者金融市場の研究』文眞堂(2005)、論文に「前近代的な情報管理システムに起因する銀行カードローンの問題点に関する調査」パーソナルファイナンス学会No.5(2018)など。

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OWNERS.COM編集部