クラウドファンディング
2021.02.02
この記事の目次
融資型クラウドファンディングでは、融資を受ける事業者の債務を保証する「債務保証」があります。
債務保証とは、一般的に債務者(事業者)が貸付条件通りに返済しないこと(債務不履行)により元本の毀損が生じる恐れのある状態の場合に、保証会社が債務者に代わって返済する仕組みです。
保証会社からの返済及び利息の支払いが、出資者への出資金の償還及び利益分配に充てられることになります。
債務者の支払いが困難になっても、保証が付いていれば元本は毀損しないじゃん!と思いますよね。
ここで注意点です。
たしかに元本が毀損しにくい仕組みにはなっていますが、絶対毀損しない訳ではありません。
毀損する可能性として、保証会社の信用状況が悪化(債務不履行や破産・倒産)する等の事情により、債務保証の履行がなされない場合が挙げられます。
保証付き商品のファンドでは、案件詳細以外にも以下の情報が掲載されています。(運営会社によっては投資家会員限定で公開している場合もあります。)
そうです!保証会社の情報も掲載されています。
出資するファンドや事業者だけに注目して見落としがちですが、ここも重要です。
保証会社の財務情報などをしっかり確認したうえで、保証の安全性を確かめたいところですね。
また、営業者(クラウドファンディング運営会社)が倒産してしまった場合、出資者の出資金返還請求権・利益分配請求権に債務保証は履行されないので、元本を棄損する可能性があります。
営業者の財務情報などもしっかりとチェックしておきましょう。
出資する場合は、自らの責任のおいて記載された事項やその他の事情を慎重に検討した上で、投資の判断を行いましょう。
不動産投資型クラウドファンディングでは、売却先が見つからない時に買取を行ってくれる「買取保証」があります。
ここで、買取保証の解説の前に「優先劣後方式」について説明しておきましょう。以下の図をご覧ください。
例は物件の査定額が1億円の場合、買取保証額が査定額の70%想定
多くの場合、不動産投資型クラウドファンディングでは「優先劣後方式」が採用されています。
出資者が優先出資者となり、不動産の運用で損失が生じても、損失額が劣後出資の範囲内であれば劣後出資者である事業者が損失を負担することになります。
ただし、損失が劣後出資の額を超える場合は、超えた分についての損失を出資者が負うことになります。
ここで、買取保証が登場します。
買取保証とは「不動産が償還日までに売却できない場合、買取保証している会社がその不動産を買い取る」という保証をします。
ただし、買取保証額は、一般的にその不動産の査定額を下回ることが多く、査定額の70%前後で買い取られることもあるようです。
そこで重要なのは、買取保証される金額です。
先ほどの図の例では、「買取保証額=優先出資額」となっているので出資者の元本は毀損されず、安心して出資できそうですね。
この「優先劣後方式」と「買取保証」の仕組みを踏まえて、どういった場合に元本毀損するのしないのかを見ていきましょう。
プロジェクトが想定している売却価格で売却できなくても、買取保証が履行されれば投資家の出資元本は毀損しません。
ただし、出資元本が毀損しないのは「募集金額≦買取保証額」の場合です。
「募集金額>買取保証額」の場合、出資元本が毀損するリスクがあります。
天災地変等の影響により対象不動産が毀損した場合、物件自体がないため買取保証が履行されず出資元本が毀損するリスクがあります。
買取保証会社が倒産して保証が履行されず、なおかつ想定している売却価格で売却ができなかった場合、出資元本が毀損するリスクがあります。
事業者が倒産した場合、出資元本が毀損するリスクがあります。
いかがでしたか。
不動産の買取保証額が募集金額以上であれば、優先出資者は元本の毀損リスクが軽減されることが分かります。
しかし、債務保証と同様、事業者や保証会社の信用状況の悪化により、保証が履行がなされないリスクがあるので注意が必要です。
出資する場合は、リスクをしっかり理解した上で知識を身につけて慎重に検討することがとても重要だということですね。
以前にマネーオンラインでも取材を行った、不動産投資型クラウドファンディング「大家.com」では、買取保証について説明会を行うそうです。
※買取保証のみであり、債務保証の説明を行うものではありません
ご興味をお持ちの方はこちらより詳細をご確認ください。
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