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2021.02.01

「IoT」ってなに?身近な例や活用方法について解説

「IoT」ってなに?身近な例や活用方法について解説

IoTとは「モノのインターネット」

IoTとはInternet of Thingsの頭文字を合わせた言葉で、日本語では「モノのインターネット」と訳されます。インターネットを利用する機器といえば、スマホやパソコンなどを思い浮かべる方が多いでしょう。

しかし、これらはいずれもインターネットを利用することを目的としてつくられた機器のため、厳密にはIoTではありません。パソコンやスマホなどのインターネット機器も利用しつつ、モノとしての存在が前面に出ているものをIoTと呼ぶことが多いです。

人による働きかけがなくても作動する

IoTにはセンサーが搭載されているため、人による働きかけがなくても作動することが可能です。IoTの例として、利用状況がメールで家族に届く電気ポットについて考えてみましょう。

ポットの電源を入れたり給湯ボタンを押したりするたびにデータが蓄積し、1日に2回家族に利用状況が知らされます。「最近、ポットの電源を消す時間が遅くなってきている。眠れないのだろうか」「まる1日ポットを使っていない。もしかして倒れているのだろうか」と離れて暮らす家族の安否をうかがうことができるでしょう。

データを収集し自動調整が可能

IoTは利用履歴やセンサーで感知した情報などをすべてデータとして収集・蓄積します。離れた場所からでもインターネットを通してデータを確認・遠隔自動調整できるので、その場に行くことが難しい場合も利用しやすいでしょう。

IoTを構成する4つの要素

次の4つの要素すべてを備えているモノをIoTと呼びます。

  • モノ
  • センサー
  • インターネット
  • 情報処理システム

つまり、インターネットにつながり、センサーと情報処理システムを搭載したモノが「IoT」です。エアコンやテレビ、照明器具などの家電から自動車、交通システム、倉庫管理システムなど、様々な場面にIoTは存在しています。

IoT化やIoT機器でできることを事例で解説

IoT化が進むことで世界はどう変わってきているのでしょうか。IoT化によりできること、また、IoT機器でできることについて見ていきましょう。

家庭生活が便利になる

家電がIoT化することで、インターネットを通じて利用状態や稼働状態を確認できるようになっただけでなく、遠隔操作もできるようになりました。例えばインターネットを搭載したエアコンであれば、スマホで外出先から温度をチェックし、必要に応じてオン・オフすることが可能です。

高齢者は暑さを感じにくく、自分でエアコンを操作して適温に調節しない可能性があります。しかしIoTエアコンがあれば、遠隔操作により室温を適切に保ち、熱中症を予防することもできるでしょう。

生産や物流の効率が向上する

かつては生産と製造、物流、市場がそれぞれ別個に機能していました。生産過剰になって大量の農産物を廃棄処分しなくてはいけなくなったり、在庫が過剰になって倉庫が足りなくなったり、物流に時間がかかったりといったトラブルはつきものです。

しかし、IoTによって生産から市場までの情報がつながると、各過程の効率が向上します。例えばデータから、あるお菓子のニーズが今後低くなるだろうと予測されたとしましょう。

そのデータがすぐに製造業者に送られて、製造業者は製造量を減らします。市場への供給過多になる前に製造量を減らすので、物流業者の倉庫に保管される量が減るでしょう。また、仕入減の依頼も生産業者にワンストップで通達されるため、過剰生産や廃棄処分も回避できるようになります。

在庫や生産・製造の無駄が減ると、価格にも反映されるようになるでしょう。つまり、IoTによる生産や物流の効率向上により、関係業者だけでなく消費者も嬉しい効果を得られるのです。

人手不足の解消にもつながる

少子高齢化が進む日本において、人手不足の解消は深刻な問題です。IoTによって生産や物流を最適化するためにコンピューターで管理しやすい産業用ロボットが導入されるため、製造業の慢性的な人手不足の解消にもつながるでしょう。

医療の進歩につながる

医学がどんなに進んでも、病気の発見が遅れると治療が困難になることは変わりありません。また、治療ができても元の状態に戻らないケースや、生活の質(QOL)が著しく落ちる可能性があります。疾病の早期発見、また、疾病に罹患する可能性を早期発見することが、医療の進歩に欠かせないと言えるでしょう。

医療の現場でも、IoTは不可欠な要素です。例えばスマートウォッチなどのウェアラブルデバイスを通して血圧などに異常がないかを早期察知したり、体温などの変化をデータ化して診断に活用したりすることがすでに実現しています。

また、医師不足や医療設備の不備により適切な治療を受けづらい地域では、早期発見・早期治療は都市部よりも困難な状態です。しかし、IoTを用いて遠隔健診・遠隔治療が実現すると、地域の病院で先進治療を受けたり、在宅医療の幅が広がったりすることも期待できます。

まとめ

IoTの誕生により、私たちの生活はより一層便利なものになりました。また、生産・流通などの様々な場面で活かされることで、限りある資源の有効活用や低価格化も可能になっています。ますます発展するIoTに今後も注目していきましょう。

この記事を書いたスタッフ

OWNERS.COM編集部