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クラウドファンディング

2020.12.14

【企業インタビュー】不動産投資型クラウドファンディング「大家.com」突撃インタビュー

【企業インタビュー】不動産投資型クラウドファンディング「大家.com」突撃インタビュー

株主と共に事業を成長させる

『株主還元の仕組みを株主の皆様と共に構築していく』という新たな試みをスタートました。
最新のテクノロジーと仕組みを活用して事業を成長させると共に、株主の皆様に株価上昇によるキャピタルゲインと、大家.comへの出資を通じた事業参加によるインカムゲインの両方を提供できればと考えての取組みです。

私が代表に就任するにあたり、22,000名以上の株主の皆様と共にどうやって会社を成長させ、
株主の皆様に対して利益を還元していくという事は非常に重要であり、利益を出して株価を上昇させていくことが私の役目です。
直近では、ZOZO TOWN 前社長の前澤氏がSNSのフォロワーと共に「100万人が株主の会社を作ろう」という提案をしていました。
事業を拡大し会社を成長させるとう同じ目的に立っている人が大勢いるというのはそれだけで非常に大きな価値があります。

一般消費財や移動手段、飲食店等であれば、顧客がそのまま株主となり、
株主優待制度によって安定株主と優良顧客を両方を獲得している会社は多数あります。
株主が顧客にもなり、その利益を株主としても顧客としても享受出来る正の循環ができていると言っていいでしょう。

私共のいる不動産業界では取り扱う案件の金額も大きく、株主が直接、事業参加したり配当以外の利益を享受することが難しい業界です。
今回の一連の取組みでは、株主の皆様に事業パートナーとしても関与して頂き、その分の利益も享受して頂く新しい仕組みです。

また、少し話は変わりますが、戸建て・一棟収益物件等の不動産業が強みである当社子会社のグローベルスと
当社分譲マンション事業における相互送客の仕組みや、お互いをカバーできる体制も構築出来ており、より多くのチャンスが目の前にある状況です。
資金調達の手段を多様化することでより多くの事業機会を得て飛躍的に会社が成長するチャンスでもあると考えています。

不動産投資型クラウドファンディング『大家.com』とは

グローベルスが運営する『大家.com』は投資家からすると収益不動産の家賃収入(利回り)を得られる仕組みです。
一方、当社グループからすると保有する不動産の価値に応じて投資家から資金を調達できる仕組みです。
不動産特定共同事業法(以下、「不特法」)に基づく不動産投資型クラウドファンディングの仕組みを利用したサービスとなります。
『大家.com』では収益不動産に基づく3%~ 6%前後の利回り商品を出す予定です。

投資額の1%をキャッシュバック

当社の株主と『大家.com』の投資家にもなって頂いた方には、株主還元として投資額の1%をキャッシュバックいたします。
例えば、1年間で4%の利回りに100万円投資すると「1万円」をキャッシュバック致します。
すなわち、1年後に4%の利回りとキャッシュバック分を合わせて5万円(配当4万円+キャッシュバック1万円)を配当することになります。

不特法は非常に発展性のある仕組みですが、投資家を集めるにはマーケティング費用がかかります。
事業拡大のために多くの投資家を集める必要がありますが、同じ費用をかけるのであれば、なるべく株主の皆様に多く還元したいと考えております。

『大家.com』他社との差別化

他の不特事業者やソーシャルレンディング等との差別化を図る狙いで
”手軽にはじめられる大家さん” ”家賃収入” をコンセプトに様々な収益不動産を投資家に提供していきます。
また、投資家のリスク軽減のための仕組みとして「買取保証」導入と流動性確保のための「STO」の導入も大きな差別化に繋がると考えています。

手軽にはじめられる大家さん

従来、大家さんは地主や一部の富裕層、プロの投資家に限定されてきたと言えます。
収益を上げるのは当たり前ですが、優良案件の情報を的確に入手するルートを持っていることが重要です。
個人投資家が利益を得るのは不動産市場に上手く乗れたタイミングであったり、たまたま案件が良かったりした場合です。
運悪く莫大な損失を出してしまうことも少なくありません。

『大家.com』では優良案件の情報をより多くの方に伝え、大家として家賃収入を得る体験をして頂きたいと考えております。
マンションやアパートに限らず、レジャーホテルなど様々な優良案件の情報を発信していきます。

また、面倒な建物管理や入退去管理等は当社が行います。
投資家には、物件ごとに起こる様々なトラブルを建物管理報告書として定期的に配信し、
”大家さん”を疑似体験できる場を提供します。
将来的には現物不動産のご紹介もできれば嬉しいですね。

泉氏:
実は、出口戦略においても銀行のファイナンスを利用してレバレッジを利かせ、かつ、節税メリットも取れる仕組みを構築中です。
その辺りはまた改めてお伝えしますね。

リスクを軽減!買取保証の仕組み

投資家のリスクを軽減するための仕組みですが「元本保証」ではないので誤認の無いようにお願いします!(違法行為になってしまうので…)

この買取保証仕組みは投資家募集を行う前に実績のある保証会社に買取保証額の提示してもらい、その金額を参考にしながら募集金額を決ます。
あくまで投資対象不動産への買取保証となりますので、出資法の観点からも問題無いという認識で進めています。

買取保証額によっては当社が最初に毀損するリスクを負う事になります。
当社としても自信を持ってご紹介できる優良案件をご用意していきます。

--買取保証が付くのはいいですね。投資家としてのリスクはありますか?

保証会社が倒産し、不動産価格が暴落しているケースでは毀損することも考えられます。
ただ、当社が提携している保証会社は実績も現状の収益力も十分備わっていると考えております。
また、あくまでも保証会社と買取価格が合意できていることが前提であり、全ての案件に買取保証が付いているというわけではありません。

--保証会社の情報が知りたいです。

当社では、定期的に保証会社の保証額、財務状況等について確認する契約を締結しております。
また、当該保証会社は上場会社のグループでもあり、監査法人等の監査も受けており、情報に関しての正確性は高いものと考えております。
必要に応じて投資家の皆様にも情報開示してまいります。

「STO」で流通性の確保

STOは Security Token Offering(セキュリティ・トークン・オファリング) の略で、ブロックチェーンを活用してクラウドファンディングの投資商品に流動性を持たせ、必要な時に現金化できる仕組みを投資家に提供するもので、国内ではまだまだ実験的な取組みが出ている程度です。

今回は、LIFULL社と世界的に実績のある Securitize社との事業提携により、クラウドファンディングの投資商品の二次流通市場の構築を目指してまいります。
この取組みが普及すれば、投資家がより買いやすい市場が醸成されるだけでなく、ファンド育成後も常に投資家に適正な情報を開示する必要性が高まります。
事業者としても透明性の高い情報を常に出し続けるという文化を根付かせる土俵づくりにも繋がると考えています。

--『大家.com』についてよく分かりました!でも、投資するなら不動産特定事業法に基づくクラウドファンディングの仕組みについてもっとちゃんと知っておきたいです。

不動産特定事業法(不特法)クラウドファンディングとは

まず、クラウドファンディングとは、インターネットを通じて複数の投資家から資金を集める仕組みです。
最近では、上場する会社も出てきましたし、ソーシャルレンディング(貸付型クラウドファンディング)も一定の市場規模になっており、新しい資金流通の仕組みとして注目が高まっています。

不特法は、事業者が複数の投資家から出資を受けて集めた資金で収益不動産を取得・運用し、そこから生まれた収益を投資家に分配する仕組みです。
1995年に制定され、2017年にはインターネットを通じて資金調達できる仕組みに改定されました。
2019年にも幅広く活用できるように改定が進んでおり、国交省が今後拡大を推進していきたい事業と位置づけており、まさにこれからが旬のビジネスです。

現在、日本の銀行預金における金利は非常に低水準であり、貸出金利も低い状況が続いております。
不動産取得のための資金調達がスムーズにできいるかというと時間的にも金額的にも難しいのが実情です。
良い物件ほど足が早いのが不動産であり、スムーズな資金の確保が不動産業においての明暗を分けると言っても過言ではありません。

--不特法を活用して資金調達できるようになったのはここ数年なのですね。ソーシャルレンディング業界で多くの問題が起きていたと思います。泉社長はどうお考えですか?

ソーシャルレンディング業界の不祥事

投資家への情報開示が不十分であったために、投資家が内容をしっかりと理解しリスクを見極められないまま投資していたことが大きな要因だと考えています。
「事業者」への貸付となるソーシャルレンディングにおいて、投資する事業の内容や事業者の財務内容等をしっかり確認して投資する必要があります。

不特法に基づくクラウドファンディングでは、あくまでも事業者が保有もしくは保有予定の収益不動産への投資であり、不動産情報は開示されています。
また、不特法に基づくクラウドファンディングの事業を行えるのは都道府県知事に不動産特定事業の登録を行っている事業者だけです。
そう言った意味では、投資家にとって透明性の高い商品を提供できると考えています。
また、当社では優先劣後の資本構成を取ることによって、当社の資金から優先して損失が出る構造になっておりますのでモラルハザードも起こりづらいです。

次の事業展開を優位に

--収益を投資家に分配しない方が、事業の収益率は良さそうな気がしますが…

もちろん、その案件だけ見れば絶対的な収益は下がります。
しかし、資金にレバレッジがかかる事で資金効率は上がりますし、手元資金が出来ることにより、
次の案件の仕入力も向上するためトータルでみると事業の収支はプラスに繋がります。

例えば、時価総額 10億円で利回り 6%の案件を自己所有しているとします。
借入の残高は 2億円を返済期間は残り5年、金利1.5%で返済予定だとしましょう。
この場合、年間の家賃収入は 6,000万円です。
年間の支出は 5,000万円(銀行への返済 4,300万円 + 雑費 700万円)だとすると手元に残るのは 1,000万円になります。

一方、不特法に基づくクラウドファンディングを利用して 8億円(利回り4%)を調達したとします。
2億円は銀行への返済に利用し、手元に6億円が残ります。
年間の支出は 3,900万円(投資家への分配 3,200万円+雑費 700万円)となり、手元に残るのは 2,100万円になります。

実際には『大家.com』の運営費用等もありますが…、
時価総額 10億円のうち 2億円はバッファーとして手元に保有していると仮定しても利回り10%以上で運用している事になります。
また、手元の 6億円を活かして次の事業をより優位に展開することが可能になるのです。

不動産市場の変化に応じて、市場が落ち込んだ時に仕込んで市場が回復した時に高く売却すれば事業収益もより高くなります。
大手の不動産会社や富裕層の方達が強いのはこういった長期的な戦略をとっているからでもあります。

プロスペクトグループのこれから

不動産という大きな市場において、ぜひ株主の皆様にも事業に参加して頂き利益を享受して頂きたいです。
『大家.com』はキャピタルゲインを狙う仕組みではありません。
投資家は中長期的な財形成の方法としてサービスを利用します。
株主の皆様にも中長期的なホルダーとして当社のファンになって頂きたいという思いです。

また、資金調達をスムーズに行うことにより、既存の分譲マンション、戸建て、太陽光等のビジネスの成長も加速させていきます。

先日発表したIoTを活用したロボットホーム事業の推進と合わせて、
株主、事業パートナー、顧客、その全てでWIN-WINの関係性が成り立つ不動産のエコシステムを最先端のテクノロジーを利用して構築していきます。

泉信彦

株式会社プロスペクト代表取締役社長。1966年3月11日生まれ。90年4月愛媛銀行に入行。2020年6月株式会社プロスペクト、社外取締役、取締役などを経て、同年10月より現職。

この記事を書いたスタッフ

OWNERS.COM編集部