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2020.11.04
相続対策として誰もが真っ先に考えるのは、「節税対策」ではないでしょうか。
節税対策は、相続発生時において出来る限り税金を減らすための対策になります。
この相続税に対する節税対策を効果的に行うことが出来るかによって、納税金額が大きく変わってきます。ですので、生前から相続税を減らすための節税対策を、計画的に検討することはとても重要になってきます。
節税対策では、相続財産自体を減らすための「生前贈与」、相続財産の評価額を下げる「不動産の活用」そして「各種特例の利用」、控除額を大きくする「生命保険の活用、養子縁組」といった対策が有効となってきます。
これらの対策を検討する際には、税理士のアドバイスをもらうことが必要不可欠になってきます。
相続税は原則「現金一括」での納税となるので、納税資金を現金で用意しておかなければなりません。納税資金が足りず納税が遅延してしまうと、多額の延滞金が発生したり、相続人自身の財産を差し押さえられてしまう可能性があります。
そのため、相続税の納税額を調べたうえで、どれだけ現金を用意しなければならないのか事前に把握する必要があります。もし現金が不足している場合は、所有している資産の中から何を処分するか考えていくことが「納税資金対策」になります。
納税資金対策としては、「生命保険の死亡保険金」や「死亡退職金」の活用であったり、相続時精算課税制度などを利用した「不動産の贈与」などが一般的に有効となってきます。
遺産分割対策として最も重要かつ有効なのは「遺言書の作成」になります。
相続が発生した時に「遺言書がある」場合には、その遺言書の内容で遺産分割を行います。「遺言書がない」場合、原則「法定相続」で遺産分割を行いますが、法定相続で分割できない場合は、相続人全員で遺産分割協議を行って財産の分け方を決めることになります。
しかし、遺産分割協議がまとまらず相続人の間でトラブルに発展するケースが年々増えてきています。
そのようなトラブルを回避するために、遺言書を残すことは重要であると言えます。
ただし、遺言書には「自筆証書遺言」「公正証書遺言」「秘密証書遺言」の3種類がありますが、規定通りに作成しないと遺言書が「無効」となる場合があります。
また、財産の配分によっては、遺言書自体がトラブルの元となってしまうこともあるので、遺言書の作成についても気をつけなければなりません。
さらに「付言事項」として、なぜこのような財産配分にしたのか、そして残す家族への想いを記すことによって、相続人の皆さんが納得できる遺言書になります。
本来の相続対策はこの3つですが、多くの方は相続対策といったら「節税対策」をイメージして、「自分には財産がないから関係ない」と考える方が非常に多いです。
しかし、一番優先順位が高い対策は「争う家族=争族」にしないための「遺産分割対策」なんです。
相続を考えるにあたって「誰に、どの財産を、どれだけ相続させるのか」を考えることが第一になります。
相続人の間でしっかり話し合い、相続税が発生する場合は納税資金を確保して、その上で余裕があれば節税しましょうというのが、遺産分割対策を優先とした考え方になります。
しかし、現在では節税を優先するあまり、借金をしたり不動産活用をされている方が散見されます。亡くなった後にその借金を誰が相続するか、誰が払っていくかを決めておかないと、相続自体が複雑になります。
節税対策を行うのであれば、財産を受け継ぐ人を決めてから、受け継ぐ人と一緒になって相続を考えなければなりません。
ほとんどの場合、そこを考えずに進めてしまうので、借金を払えなかったり、遺産分割がまとまらずに放置されて空地や空室が増えてしまいます。
そのため、最初から「誰に、どの財産を、どれだけ相続させるのか」を決めておけば、場合によってはすぐに財産を処分できたり対策を施すことができたりします。
ですので、まずは「誰に相続させるのか」これを決めるところから始めなければなりません。
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