クラウドファンディング
2022.02.17
この記事の目次
前回の記事で、当時取引のあった証券会社のDM経由で融資型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)を知ったこと、そして初めての投資を行ったことを紹介しました。今回はその後の話しをします。
当時、投資型クラウドファンディングと呼べるものはまだ融資型しかなく、その融資型も黎明期でした。
そのため私が投資を始めた2012年12月以降、その頃には様々な事業者が登場しました。
クラウドファンディングの特徴である「値動きがないインカムゲイン投資」という点に魅力を感じていた私は、新たに登場した事業者に次々に投資を行っていきました。そして数年かけて金融資産のポートフォリオを組み替え、これまでの個別株・投資信託等の投資から、徐々にクラウドファンディングに軸足を移していきました。
2012年12月に初めてのクラウドファンディング投資を行ったあと、2013年~2017年にかけてポートフォリオの移行を行いました。2017年からは本格的にクラウドファンディング投資に軸足を移し、多くの資金を投入すると同時に、投資する事業者も20以上にするなど投資対象も分散させていきました。
この背景には、当時の融資型クラウドファンディングで当局の指導により貸付相手や担保物件が匿名化されていたことがあります(今はこの指導は事実上無くなっています)。匿名化により投資案件のリスクを適切に判断できないのなら、多くの案件に分散させることで1つ2つの案件で損失が出ても大きな損失を防ぐことができると考えたわけです。
この考えは後に、正しかったと分かりました。
融資型クラウドファンディングにおける私の失敗、そしてその失敗から何を学んだかについて書いていきます。
2018年から最近に至るまで、当時最大手だった事業者を始め、いくつかの事業者で問題が発生しました。その問題の原因は様々ですが、根本的な原因は案件が匿名化されていたことです。
不動産を担保にとっていたものの、蓋を開けてみれば物件に問題があって売却が難しかったり、中には匿名化の仕組み自体を悪用されたり、という事案も起こりました。未だにこれらの案件の一部は遅延しており、問題は継続しています。
投資には必ずリスクがあり、順風満帆のままというわけにはいきません。
融資型クラウドファンディングはまだ歴史が浅い投資なので、リスクを正確に測れなかったということはあるでしょう。いずれにせよ私の判断ミスであり、責任であることに違いはありません。
現在でも私の投資額のうち1割程度は、前述した問題のために遅延され資金が拘束されています。
それでも1割。痛くないと言えば嘘ですが、致命的な金額ではありません。
複数の事業者で問題が発生したものの、大やけどを負わなかった理由を振りかえって考えれば、多くの事業者や案件に分散投資を心がけていたためだと思います。「卵は一つのカゴに盛るな」というのは投資の格言ですが、クラウドファンディングにおいてもこの格言は有効で、まさにこの言葉が生きた体験となりました。
失敗は誰でもしますし、避けようと思っても避けられるものではありません。しかし失敗はそのままにしておけば、それは何の価値もないゴミになってしまいます。「失敗は必ずしてしまうものだ」と心得て、失敗を次への糧にしてこそ、成長できるというもの。使い古された言葉かもしれませんが、私は正しい言葉だと思っています。
失敗の教訓から私は、事業者や案件のリスクをより真剣に見極めること、分散を徹底することを心がけ、今でもクラウドファンディング投資を続けています。成功はもちろん、失敗すら1つの大事な資源と見なし、投資戦略の改善のために役立てる。そうした言わば「失敗のエコ利用」は、投資家としてだけでなく自分の成長のために重要だと思います。
この記事を書いている今現在、クラウドファンディング以外にロボアドバイザーにも投資していますので、その分もあわせて紹介します。
クラウドファンディング投資では、毎月一部の案件が償還され、それをまた投資するということを繰り返しています。そのため以下の数値は、だいたいの平均になります。
私は新しいもの好きの投資家なので、国際分散投資にはロボアドバイザーを利用しています。
利用しているロボアドバイザーは現在3つで、以下の数値はその合計値となります。
これまで私は多くのクラウドファンディングに投資し、時には失敗もして、そのたびに自分の投資戦略をアップデートしていきました。まだまだこれからも投資の失敗は起こるでしょうが、そのたびに失敗を糧として成長していければ、と思います。
次回は最後となりますが、これまでの投資経験から理解したことと、現在の方針や考え方について紹介します。