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2022.01.20
この記事の目次
まず基本的なビットコインの価格の変動について説明します。
ビットコインなどの暗号通貨は、以下のような要因で価格が変動します。
ビットコインには「半減期」と呼ばれる、マイニング(取引記録の検証)によって得られる報酬の量が半減する期間があります。この半減期は、直近では2020年に起こりました。これまでの例で言えば、半減期の存在はビットコインの希少性を高めビットコイン価格の上昇を引き起こしているようです。
また、ビットコインは発行上限が2,100万BTCと定められており、これも価格上昇要因になっていることは否定できません。しかし、半減期や発行上限のないETH(イーサリアム)などもビットコインと似た値動きをしているのは注意が必要です。
ビットコインなどの暗号通貨の価格変動には多くの要因があり、一つ一つの要因は善し悪しのいずれにも働きます。例えば国家の規制がかかればビットコインの価格は下落し、規制緩和されれば上昇します。
ビットコインの価格変動はこれらの要因が複雑に絡み合って起こるもので、変動した理由を後付けできても事前に分析・予測することはとても困難です。
ビットコインの値動きを予見し続けることは、誰にも不可能と言えるでしょう。
次に、ビットコインの実際の価格推移について長い視点と短い視点の双方から見てみます。
2020年初夏は1BTCが100万円前後でした。2020年の年末くらいまでは100万円台で推移していましたが、その後2021年4月には700万円という高値を付け、その後急落して一時は300万円くらいになったこともあります。
その後、2021年7月からは再び上昇に転じていますが、この上昇がこのまま続くのか、それとも一時的なものなのかは先に書いた通り予見することはできませんでした。
24時間の間でも5~10%ほどの動きがあるのがビットコインなどの暗号通貨です。まさに「寝ている間にお金が増えている(減っている)」ということが、現実になるということには注意が必要でしょう。
暗号通貨の投資をする前には「値動きの予測は付かない」「値動きが激しい」という性質を十分に理解しておくことが必要です。
以上の背景から考える、ビットコインが今後取りうるシナリオを2つ推測してみます。
相場を短期的に見れば、ビットコインの価格は活発な売り買いで揉み合うことが多いと感じます。
しかし何らかのニュースが出るたびにビットコインの価格は乱高下を繰り返します。つまりこの「価格の揉み合い」は、ごく短期間に限ると見るべきでしょう。
暗号資産は「アマゾンやツイッター社が導入するかも?」というニュースを受けて大きく値を上げたことがありました。
暗号資産の存在感が高まれば、今後大企業や法定通貨に大きな力がない国を中心に、暗号資産の通貨化が起こる可能性があります。これとビットコインの半減期・発行上限量の存在が重なれば、1BTC=1,000万円を超えることも起こりうるでしょう。
このようにビットコインには値上がりを期待できるシナリオがありますが、一方で主要暗号通貨以外(いわゆる草コイン)には、価値がほぼゼロになる可能性が常につきまとうことは十分に注意すべきでしょう。
以上のことから、ビットコインの投資戦略は大きく分けて3つあると思います。
ビットコインが長期的に上がるシナリオを信じるなら投資戦略は1つだけ、いわゆる「ガチホ(ガチホールドの略、ずっと所有し続けること)」しかありません。価格が下がった時に買い増す、あるいは一定額の積立投資をするなどして、粛々とビットコイン(あるいは、他の主力暗号通貨)を増やしていけばいいでしょう。
シナリオがぴったりはまれば、資産が5倍10倍になる可能性だってあるでしょう。ただし、その逆もありうるので注意が必要です。
もう1つの戦略は、ビットコインが長期的に上がるとは信じられない人向けのもので、短期の値動きを利用する方法、ごく短期で価格差を抜くトレードです。
デイトレード、あるいはスキャルピングと言われている手法で、長期的な展望を持つ必要はありませんが、知識や技術が必要になる手法です。
最後の戦略は「そもそも(本気では)投資しない」というものです。
拍子抜けされたかもしれませんが、「休むも相場」の格言の通り、「投資しない」というのも投資の選択肢のうちでしょう。
私はわずかにビットコインを持っていますが、買い増すつもりや売るつもりはありません。暗号通貨のニュースに興味を持つためのつながりとして持っているだけです。今の私には大きな値動きの商品は不要で、他の投資に労力を振り分けたいので、暗号通貨への投資は考えていませんが、いつか来るかもしれない日のための準備はしておきたいと思っています。
私が少額のビットコインを手に入れたのは2018年の7月頃。その時、「これをきっかけに暗号資産投資を始めてみようか」と思ったこともありました。
当時の1BTCはだいたい100万円弱で、今のBTC相場と比べると、結果論としては追加投資したほうがよかったのでしょう。しかし、もし追加資金を投入したら数カ月後には1BTCが40万円を下回る暴落を経験することになっていました。ビットコインの行く末に確信を抱けなかった当時の私なら、おそらくそこで損切りをしていたことでしょう。
価格変化の幅が大きな投資商品を長期で保有するには暴落(時によっては暴騰)に耐える覚悟が必要で、短期での取引には相場にずっと貼り付いている必要があります。そのどちらも私にとっては難しいと判断したため、他の投資にリソースを割くことにしたというわけです。
繰り返しますが、暗号資産は値動きが大きく高いリスクの投資商品であることには十分に注意してください。TITAN事件のように、一気に価値がゼロ近くになった例もあります。ビットコインへの投資を考えている方は、どの程度買って保有するかなどリスクを考えたうえで行いましょう。