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2022.01.18
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住宅を購入した際に使える、住宅ローン減税があることは多くの人が知っていると思います。
一方、住宅を売却した際にもいくつかの課税の特例が使えるのですが、知っている人は少ないかもしれません。
また、特例の中でも併用できるものと併用できないものがあるので、住宅を買い替えた際に「どの特例が使えて、どの特例が使えないか」を理解しておくことは重要です。
自宅を売却して譲渡益が出た場合の特例としては、次のようなものがあります。
個人が居住用財産を譲渡した場合に、所有期間の長短に関係なく譲渡所得から3,000万円を控除することができます。
なお、この特別控除は居住しなくなった日から3年を経過する年の12月31日までの譲渡に適用されるので、住み替えの際に売却が遅れても十分に適用が可能です。
個人が居住用財産を譲渡した場合、その居住用財産の所有期間が10年を超えているものについては、課税所得金額の6,000万円以下の部分の所得税および住民税の税率が所得税10%、住民税4%に軽減されるものです。
6,000万円以上の部分については、所得税15%、住民税5%となります。
なお、所有期間10年の定義は、その年の1月1日現在で10年を超えるもの、つまり単に暦上の10年とは違うので間違わないようにしましょう。
個人が居住用財産を譲渡して代わりの居住用財産を買い替えた場合、その居住用財産の所有期間が10年を超えているものについては、譲渡益に対する課税を繰り延べることができるというものです。
【譲渡金額が新しく購入する住宅の購入金額より大きい場合】
譲渡益の全額に対する課税を繰り延べることができます。
【譲渡金額が新しく購入する住宅の購入金額より小さい場合】
新しく購入する住宅の購入金額から譲渡金額を引いて残った部分について課税されます。
※課税に関してはあくまでも繰延であり、次回譲渡した際には今回課税されなかった分も課税対象となるので注意してください。
なお、所有期間10年の定義については軽減税率と同じになります。
住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)は、個人が住宅ローン等を利用して、居住用財産を取得した場合、住宅ローン等の年末残高の1%を10年間その年分の所得税から控除できるというものです。
ただし、各年の控除できる税額はその年に支払った所得税額が上限になるので、住宅ローン等の年末残高の1%がその年の所得税額より大きくても、還付されるのはその年の所得税額までとなります。
なお、現在の住宅ローン減税は2021年12月31日までの期限があるので、覚えておきましょう。
各特例には併用できるものと併用できないものがあります。
まず、譲渡益が出た場合に使える特例ですが、①3,000万円の特別控除と②軽減税率は併用できます。
一方、③買い替え特例は①3,000万円の特別控除・②軽減税率とは併用できないのでどちらを適用するかは計算して確認する必要があります。
また、譲渡益に対する特例である①②③を使った場合には、⑤住宅ローン減税を使うことができなくなります。
譲渡損が出た場合に使える特例としては、④居住用財産の買い替え時の損益通算および繰り越しがあります。また、⑤住宅ローン減税と併用することができますので賢く使うようにしましょう。
何と何が併用できて、何と何が併用できないか迷った時には、専門家にアドバイスを受けるようにしましょう。
住宅を住み替えると、購入にかかる費用以外に一時的に必要な費用および恒常的に発生するコストにも注意が必要です。
現在の住宅から新しい住宅へ移るための引越し費用がかかります。特に売り先行の場合には仮の住宅への引越しも含め2回分の費用が必要となります。
また、これまでの住宅と新しい住宅の雰囲気が似ていればよいのですが、違いが大きい場合には家具の入れ替えも必要となります。洗濯機や冷蔵庫などは置き場の寸法がありますが、戸建てとマンションではサイズが違うこともありますし、中古ではドラム式洗濯機が入らない場合もあるので注意しましょう。
特にカーテンなどは窓の大きさが変わるので新たに新調することが多く、比較的金額のかかる部分のためよく検討しておきましょう。
広い物件に住み替えた場合、通常は固定資産税が上がります。
固定資産税は1月1日の所有者に対して課されるものなので、引越しをした翌年からかかってきます。
なお、一定の条件を満たす新築を購入すれば固定資産税の軽減を受けることができるので、自分の購入する物件は適用対象なのかチェックしておきましょう。
居住空間が広がれば冷暖房費や電気代などの光熱費も上がります。収入が変わらない前提であれば、住宅ローンの返済が増えたり、光熱費が上がったりすると月々のキャッシュフローが悪化しますので、一時的な費用だけではなく恒常的な費用に十分気を配って計画を立てましょう。
賃貸で住み替えるのは比較的簡単ですが、持ち家でローンの残債がある場合には注意が必要です。
売買が同時に進めばよいのですが、一般的には売り先行や買い先行など、どちらかが先になることが多いでしょう。
ローンの残債が残った場合に住み替えローンや住んでいる住宅の売却が進まない場合のダブルローンなどの特徴を押さえておくと、いざという時に困らないでしょう。
住宅を住み替えるとランニングコストも変わってきますので、物件価格だけでなく、トータルなコストにも目を向けていきましょう。