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不動産投資

2021.12.24

【連載:内藤忍の超実践投資相談⑧】マイホームを賃貸物件として活用する場合の注意点は?

【連載:内藤忍の超実践投資相談⑧】マイホームを賃貸物件として活用する場合の注意点は?

想定リターン

保有しているマイホームを賃貸に回した場合、どのくらいの利回りになるのか。また、売却する場合どの位の価格になるか不動産会社に査定してもらいましょう。想定家賃と物件の実勢価格から、現状の利回りを計算することができます。

新たに中古のワンルームマンションを購入する場合は、現状のネット利回り(毎月の家賃の12倍を物件価格で割った表面利回りから、管理費・修繕積立金などのコストを差し引いたもの)は、都心で4%前後ですから、それよりも低ければ投資対象としての魅力は低いことになります。

空室リスク

ファミリータイプの物件は、ワンルームに比べ入居率が低く、空室期間が長くなる傾向があります。すみちゃんのように自宅として使っていた物件が賃貸に回されることがあり、需給のバランスが崩れやすいからです。せっかくマイホームを賃貸に回したとしても、入居者が決まらなければ家賃収入は得られません。

ただし、ファミリータイプの場合、入居者の賃貸期間はワンルームより長くなるメリットがあります。子供がいる家庭の場合、荷物も多いですから一度入居した物件から再び引っ越すのは手間がかかりますし、学区の問題などもあります。これらの理由から長く住み続けるケースが多いのです。

とはいえ、マイホームを貸す時は、いつ戻ってくるかも考えたうえで入居者と契約を結ばないと、自分がいざ単身赴任を終えたのに、マイホームが使えないということにもなりかねません。一般賃貸借契約ではなく、定期借家契約で賃貸に出すという方法もあります。

また、フラット35などの住宅ローンを利用している場合、自宅を賃貸に回すのは基本的に禁じられています。金融機関に発覚すると不正利用とみなされるリスクもあるので注意が必要です。

売買コスト

コスト面も考えましょう。利回り計算の結果、ワンルームの方が投資の魅力があるとしても、売却して物件を入れ替えるには売買コストがかかります。不動産手数料や登記にかかる費用、さらに物件が値上がりしていれば、譲渡益に対する税金もかかります。

利回りとリスクの比較、そして売買コストから、売却するか賃貸に出すかのメリット、デメリットを比較して最終判断をするのが良いでしょう。

内藤 忍
terahira_profile

株式会社資産デザイン研究所 代表取締役。
1964年生まれ。東京大学経済学部卒、マサチューセッツ工科大学(MIT)経営大学院修士課程卒(MBA)。
金融機関勤務を経て、1999年にマネックス証券株式会社の創業に参加。マネックス・ユニバーシティなどグループ会社の代表取締役を歴任後、株式会社資産デザイン研究所代表取締役就任。
著作は40冊を超え、「初めての人のための資産運用ガイド」はシリーズ30万部のベストセラーに。 早稲田大学、明治大学などで、資産運用に関する講座を開講。
毎週金曜日配信の資産デザイン研究所メールは、配信数49000通を超える人気。
ブログ「SHINOBY’S WORLD」も毎日更新中。

この記事を書いたスタッフ

OWNERS.COM編集部