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2021.12.06
新型コロナウイルスの流行により、多くの業界が影響を受けました。ディズニーランドやディズニーシーを擁するオリエンタルランドも、多大な影響を受けた企業の1つです。2020年、2021年をどのように過ごしてきたのか、また、今後どのような変化が見込まれているのか解説します。
この記事の目次
新型コロナウイルスの流行により、人が集まる施設やイベントでは自粛が要請されました。遊園地などのレジャー施設においても、長期にわたって閉園されたり、入場数が制限されたりしています。
ディズニーランドとディズニーシーの2つのテーマパーク、そして、オフィシャルホテルなどを擁するオリエンタルランドも、閉園や入場数の制限により、コロナ禍において大きな経済的打撃を受けました。
2021年9月までの決算期において、オリエンタルランドは2年連続の赤字決算を報告しています。長期にわたる臨時休業を実施した2020年9月までの決算と比べると赤字は縮小したものの、決して状況は好転したとはいえません。
また、今後は入場者数を徐々に増やす見込みではあるものの、引き続き、制限は実施されます。そのため、2022年3月までの決算において損失が拡大する可能性があるとの見通しです。
オリエンタルランドでは業績悪化にともない、従業員の給料の大幅な削減も実施しました。2020年3月期は平均給与は708.8万円でしたが、2021年3月期は451.3万円と、約36%にもなる引き下げを実施しています。また、2020年の冬のボーナスは7割ほどカットされ、従業員は厳しい現実を突きつけられることになりました。
2020年春に実施された緊急事態宣言では、多くのテーマパークが閉園を余儀なくされました。オリエンタルランドも同様です。東京ディズニーランドとディズニーシーの両パークを閉園し、7月1日にようやく再開のめどが立ちました。
しかし再開はしたものの、営業時間は8時~20時に短縮しています。また、9月1日からは9時~21時にシフトしたものの、2021年1月7日からの首都圏の緊急事態宣言に合わせて、同年1月8日以降は9時~20時と再度短縮しました。また、1月12日以降は9時~19時、日によっては10時に開園とより一層の営業時間の短縮を実施しています。
新型コロナウイルスの感染拡大を防止するために、オリエンタルランドでは、営業時間の短縮以外にもさまざまな取り組みを実施してきました。例えばイベントやパレードの中止もその1つです。また、これらの取り組みの実施により、顧客満足度の低下が懸念されています。
新型コロナウイルス感染症も徐々に収まりを見せ、日々新規感染者は減っています。まだまだ油断はできないとはいえ、各事業者もアフターコロナを視野に活動をシフトしていく必要があるでしょう。
テーマパークなどのレジャー施設や宿泊施設、交通機関などでは、失った客足をどう取り戻すかさまざまな対策が講じられています。アフターコロナのオリエンタルランドについて見ていきましょう。
2021年12月以降は、営業時間を9時~21時に延長する予定となっています。ただし、毎年実施される新年を迎えるイベント「ニューイヤーズ・イヴ」は2021年は実施されません。
なお、営業時間については2021年11月22日時点の情報です。新型コロナウイルスの感染状況や緊急事態宣言の発令有無によっては、変更される可能性もあります。
東京ディズニーランドとディズニーシーでは2021年9月30日までは1日の入場者数を5,000人に制限していましたが、10月1日以降は10,000人にまで大幅に緩和しています。
オリエンタルランドによるとコロナウイルスの影響を受けていない2018年度の入場者数は両パーク合わせて3,255万8,000人でした。開園日は365日であったことから、1日の平均入場者数は8万9,200人と計算できます。
1パークあたり約4万4,600人なので、10,000人に入場者数を緩和しても通常よりはゆとりがあると考えられるでしょう。しかし、何人までなら感染しないという基準はないため、今後も様子を見つつ、段階的に入場者数を緩和していくと考えられます。
2023年には、東京ディズニーシー内に新エリア「ファンタジースプリングス」が誕生する予定です。総開発面積は約14万平方メートルと、ディズニーシー開業以来最大のテーマポートとされています。
ファンタジースプリングスは3つのエリアとディズニーホテルで構成される予定です。それぞれ人気を博したディズニー映画であるアナと雪の女王と塔の上のラプンツェル、ピーター・パンをテーマとし、レストランやアトラクションなどが配置されます。
オリエンタルランドがコロナ禍で受けた影響や緊急事態宣言などの発令により実施した対応、また、今後の見通しについて紹介してきました。もちろん、新型コロナウイルスの流行により、影響を受けた企業はオリエンタルランドだけではありません。さまざまな業種が打撃を受け、事業規模の縮小や廃業を余儀なくされています。
今後、新型コロナウイルスの流行が縮小すれば、経済活動は活発になると予想されますが、全ての企業が元通りになると楽観視はできません。新しい生活様式が浸透したことで、人々の価値観も変わっています。アフターコロナの企業の対応にもよりいっそう注目していきましょう。