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2021.10.26

お金を働かせて資産をふやすにはどうすればいい? FPが資産運用の方法を伝授

お金を働かせて資産をふやすにはどうすればいい? FPが資産運用の方法を伝授

自分が働いてお金を稼ぐのではなく、お金に働いてもらうことで、老後の資産を大きく増やすことができます。
株や投資信託、不動産投資など、世の中にはいろいろな手段がありますが、どのような観点で選べば良いのでしょうか。FPの大竹のり子さんに、30代40代の現役時代だからこそ知っておきたい資産運用のコトについて聞きます。

毎月決まった額を投資に回す。余剰資金は成長が見込めるマーケットに投資

編集部:

老後資金を貯めるためには、どのような投資(運用)が望ましいですか?

大竹氏:

 毎月5万円貯蓄できる場合、そのうちの3万円は毎月積立購入できる投資信託で運用して、1万円は定期預金、1万円は貯蓄型の保険、といったかたちで目的別に分けることをおすすめします。もし毎月3万円を20年間、投資信託で積み立てて、利回り3%で運用できるとします。その場合、720万円の元本に対して、約262万円の利益がでます。

編集部:

iDeCo(イデコ)の加入者数は年々増えていますが、活用したほうがいいのでしょうか?

大竹氏:

iDeCoは投資で老後の資金をふやすことを目的につくられた制度で、掛金の全額所得控除や運用益が非課税になるなど、メリットもたくさんあります。ただし、最大の難点は60歳まで引き出せないこと。これを良しとみるかどうかは人それぞれですが、個人的には節税効果があるからといってめいっぱいiDeCoで運用することは、現役世代にとってデメリットにもなり得ると考えています。ライフステージの変化が多く、将来、どんな出来事が待ち受けているかが読みにくい中で60歳まで引き出せないことは、人によっては大きなリスクとなります。もちろん「何かあったときにiDeCoで積み立てた分のお金が使えなくても困ることはない」と割り切れるお金の余裕がある方であれば、iDeCoを活用するといいと思います。

編集部:

もし余剰資金がある場合、良い運用方法はありますか?

大竹氏:

 30代40代は、老後まで時間的な余裕があるので、大きな成長を見込める金融商品への投資をおすすめします。たとえば、アメリカの市場は順調に成長していますから、米国株のように長期にわたる成長を期待できるもので資産の一部を運用することも手でしょう。

人生100年時代の生活不安は不動産投資で解消

編集部:

株や投信信託に苦手意識を感じている人におすすめの運用方法はないですか?

大竹氏:

ひとつの選択肢として、不動産投資という方法もあります。老後に安定収入を得るという意味では、不動産投資はよい選択肢だと思います。人生100年時代ですから、80歳から100歳まで長生きしたとして、20年間あるわけです。この間に安定した家賃収入が得られることは、公的年金が先細りしていくであろう私たちの世代にとってとても心強いですよね。

編集部:

確かにおっしゃる通りですね。不動産投資は“自分年金づくり”ともいえそうです。

大竹氏:

お金をふやす方法はいろいろありますが、不動産は保有し、入居者がいる限り、家賃収入を得られます。毎月、安定的に家賃収入が入ってきて、いざというときには売ればまとまった現金が手に入ります。また、相続で子どもや孫に残すこともできます。

編集部:

不動産投資はどのタイミング始めるのが良いですか?

大竹氏:

多くの場合は、ローンを組むことになります。たとえば35歳で投資用マンションを買い、30年ローンを組んだとすると、65歳でローンを完済できます。それ以降は、家賃から管理手数料などのコストを支払った差額が、家賃収入として手元に残ることになります。もしワンルームマンションを購入したとして、毎月の家賃が8万円、管理費などのコストが1万5,000円だとしたら、毎月6万5,000円が入ってきます。売却しない限りは、家賃収入を年金のように受け取れるわけです。

ただし、当然ですがいいことばかりではありません。少額から投資できる株や投資信託と違って、不動産は大きな買い物です。ローンを組めば、たとえ空室の場合でも毎月決められた額を返済していく必要があります。「買えば老後が安泰」という単純なものではありませんので、しっかりと知識をつけて、徹底的に物件を見抜く目を養ったうえで行うことが必要です。

大竹のり子
profile

ファイナンシャルプランナー(CFPⓇ認定者・1級FP技能士)
株式会社エフピーウーマン代表取締役

正しいお金の知識かを伝えることで多くの女性の人生を支援したいという想いから、2005年に株式会社エフピーウーマンを設立。現在、経営の傍ら、講演、雑誌、テレビなど多くのメディア出演を通じ、お金の知識を学ぶ大切さを伝えている。

この記事を書いたスタッフ

OWNERS.COM編集部