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2023.02.21
不動産投資や土地活用、収益不動産を主体に事業を展開する日本ブライトパートナーズが、クラウドファンディングを活用した障がい者向けのグループホーム事業を開始します。なぜ、障がい者「グループホーム」事業なのか、なぜクラウドファンディングを活用するのか。日本ブライトパートナーズ事業本部長の二神龍也氏へインタビューしました。
日本ブライトパートナーズは2016年(平成26年)に設立され、主に富裕層向けの資産形成で一棟モノ不動産の売買・仲介を手掛けています。障がい者のグループホームの存在を知ったきっかけは、弊社代表の息子に障がいがあり、親として将来的に不安があるということで、いろいろ調べていたのがきっかけです。
グループホームは、2018年に規制緩和の法改正があり、建築基準が緩和され、参入がかなり容易になりました。今まで戸建住宅をグループホームの基準に合わせるには、大規模な改修工事が必要でしたが、法改正により工事・手続きが合理化され、転用がしやすくなりました。増加している空き家の活用もでき、住宅街に立地している戸建は、グループホームに適しています。
不動産と福祉の融合という観点から考えても、事業性があると判断してグループホーム事業の参入を決断しました。参入と同時に、運営会社として一般社団法人社会福祉施設支援協議会という別法人を立ち上げ、日本ブライトパートナーズが施設を開発し、社会福祉施設支援協議会で運営するスキームを構築しました。
事業参入の大きな要因として、法改正により物件が柔軟に転用できるようになったことがありますが、日本特有の事情も存在します。うつ病や発達障害などかつては表面化しなかった精神疾患に病名が付くようになり、多くの患者が存在します。さらにコロナ禍で、うつ病の方も急増していて、多くが入院中で退院待ちという方が大勢います。ところが、これらの方々が利用できるグループホームが不足しています。
グループホームを開設するには、大家さんから物件を借り、これを転用することになります。通常は大家さんや管理会社の偏見がグループホーム参入の障壁になります。
「精神疾患のある人が近所に住んだら暴れるのではないか、危ないのではないか」といった偏見があります。しかし、いざ施設をオープンするとそんなことはありません。
参入当初はなかなか理解を得られず苦労しましたが、何かあったら退去するなど条件付き賃貸契約を結ぶことで対処してきました。新規施設の開設で実績を積み上げ、粘り強くアプローチすることで徐々に理解してもらえるようになりました。さらに実績を積むことで地主さんからの紹介で物件を貸したいとの申し出をいただくケースも増えていきました。
一方で、地方へ参入するのはなかなか難しいケースが多いですが、当社で物件を用意し、地元の運営会社に運営をお任せすることで、場所を気にせずにビジネスを拡大することができます。2022年にも一戸建てを自社で取得し、地元の運営会社が借り上げる、もしくは別法人で借り上げて投資家に販売するケースなど、さまざまなパターンがありました。
また地域への参入は管轄する行政によって違ってきます。たとえば、大阪府は共同住宅の参入障壁が高く、神奈川県、千葉県は比較的自由度が高い傾向があります。運営会社の立場からするとアパートタイプのニーズが高いのですが、一戸建ての方が転用しやすいということもあります。地域性と行政との兼ね合いからベストなパターンを模索しながら展開していく必要があります。
規制緩和を受けて多くの新規参入が急増しましたが、一気に参入した反動が大きく、業界内でスモールM&Aが相次いで発生しています。また、国からの報酬が減額される減算の影響で損益分岐点が上昇したことで、撤退する動きも相次いでいます。こうした動きを受けて、生き残った事業者がM&Aで規模を拡大しているのが現在の状況です。
新築のアパート、中古アパートを転用する場合などは、不動産ビジネスでのパワーが必要です。この点で収益不動産を扱う当社は営業力などでアドバンテージがあると考えています。
5LDKなら5名程度の入居が可能ですが、損益分岐点は12名前後で3拠点開設しないと利益が上がってきません。すでにグループホームを運営しており、グロスで損益分岐点を上回りたい業者の方に借りてもらうこともできます。
そうしたときは展開する場所の選定、マーケティングが重要になります。土地や物件を仕入れて再販する物上げ業者として懇意にお付き合いしている会社は多く、特定のエリアでオープンしたい運営会社がある場合、そのエリアが得意な業者から仕入れ情報を入手します。その物件を内見していただき、借りたいとの要望があれば仕入れるという流れです。
基本的には全国のグループホームの運営会社があるエリアを対象としており、直営もしくはグループ会社の運営で神奈川県、千葉県、埼玉県、大阪府、兵庫県で展開しています。グループ全体で業界内でも比較的多い40拠点、直営15拠点、残り25拠点がグループに参加している運営会社です。
現場の体制を整えながら進出していくのが重要なので、一気に規模を増やすのではなく、ニーズがあるエリアに開設することを基本スタンスとして、年間で5拠点を目標に着実に増やしていきたいと考えています。
当社は今回、新たに「地域医療福祉支援ファンド」を通してクラウドファンディング事業を開始します。なぜクラウドファンディングなのかというと、横浜が拠点の当社にとって金融機関との付き合いがないエリア、あるいは金融機関の融資が下りないエリアで、グループホームを開設するニーズがあり入居希望も見込める場合に、1店舗5,000万円、6,000万円を要する物件を取得して複数棟開設しようとすると自己資金だけでは賄うことができません。そこで、クラウドファンディングを活用して資金を集めながらの事業展開を考えています。
当社のファンドは1万円から出資が可能で、気軽に参加していただけると考えています。当社としても機動的に資金を調達でき、質の高い物件を開設することが可能となります。利回りが高く、利用者のニーズが確実にあり、開設後はキャッシュフローも生まれます。
投資家にとっての最大のメリットは安定性が挙げられます。また、福祉関係のファンドは富裕層の方に社会貢献度が高いと評価していただいており、人気が高い投資案件だと考えています。単に投資で収益を上げるだけでなく、ポートフォリオの一環として社会貢献に関心を持つ人が確実に存在します。
第1号の案件は、神奈川県海老名市の4,500万円の物件で、20%を当社が劣後出資します。将来的には、安心・安全・信頼を獲得できれば、10年、20年など長期のファンドも視野に入ってきます。
運用期間15年で設定すると、利回りのいい物件なら家賃収入だけで全額を回収できます。これが本来の姿だと考えており、将来的に長期のスタイルが定着すれば、より腰を据えた事業展開が可能になると判断しています。
グループホームの運営において、社会福祉施設協議会の責任者が運営会社を毎月訪問し、現場のトップや運営会社の社長と面談し、運営上の悩み等を一緒に解決する機会を持っています。当社は自社施設で運営を手がけ、借り手である運営会社への運営支援も行っていますが、運営会社との信頼関係は強固であると考えています。
次回は、第1号案件の詳細についてご紹介させていただきます。
二神 龍也
株式会社日本ブライトパートナーズ事業本部長