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2024.07.30

【老後資金】退職金はいくらもらえる?退職前に知るべき「落とし穴」と「賢く増やすポイント」

【老後資金】退職金はいくらもらえる?退職前に知るべき「落とし穴」と「賢く増やすポイント」

退職金は老後の資金準備に大きな役割を果たします。しかし、退職金をめぐる環境は変化しており、退職金を受け取る際には様々な注意点があります。知らなければ、せっかくの退職金が減ってしまうことも…。本記事では、昨今の退職金事情、退職金にまつわる失敗パターン、リスクを抑えて退職金を増やす方法について解説します。

いくらもらえる?昨今の退職金事情

近年、中小企業を中心に退職金制度を廃止する企業が増加傾向にあります。また、大手企業でも、退職金制度の見直しや、確定拠出年金への移行が進んでいます。退職金の額は、勤続年数や役職、業績によって大きく異なるため、自身の退職金がいくらになるのか、早めに確認しておくことが大切です。自分の退職金を確認するには、以下の方法があります。

 

会社の人事部に問い合わせる

まずは、勤務先の人事部に連絡し、自身の退職金について問い合わせてみましょう。多くの企業では、従業員の勤続年数や役職に基づいて退職金を計算しています。人事部から、現時点での退職金の見込み額や、計算方法について情報を得ることができるでしょう。

 

社内マニュアルを確認する

社内のイントラネットや就業規則、福利厚生に関する資料などを確認してみてください。退職金の計算方法や、受取方法などについて、詳しい情報が記載されている場合があります。自分の勤続年数や役職に当てはめて、おおよその退職金額を計算することができるでしょう。

 

生命保険文化センター『2022(令和4)年度 生活保障に関する調査』によると、夫婦2人で老後生活を送るための最低日常生活費は、月23.2万円です。つまり、65歳から80歳までの15年間では最低日常費でも4,176万円が必要になります。一方、経団連(日本経済団体連合会)『2021年9月度 退職金・年金に関する実態調査結果』によると、退職金の平均相場は、「管理・事務・技術労働者(総合職)」の60歳で、大学卒が2,243.3万円、高校卒が1,953.0万円となっています。

 

夫婦共働きで、勤続40年以上の定年退職なら最低限の生活費はカバーできるかもしれませんが、物価上昇を考慮すると退職金のみでは不安が残ります。老後の資金準備には、退職金などの福利厚生に加え、自身での資産運用や家計見直しなど積極的な取り組みが重要です。早めに老後の生活設計を立て、公的年金や貯蓄などとバランスの取れた資金計画を立てることが望ましいでしょう。

せっかくの退職金を減らしてしまう「落とし穴」

長年の勤続の対価として受け取る退職金は、老後の生活を支える重要な資金です。しかし、その活用方法を誤ると、せっかくの蓄えを無駄にしてしまう可能性があります。そこで以下では、退職金活用の落とし穴として代表的な3つの失敗パターンと、それぞれの回避策について解説します。

 

投資での失敗

退職金を一時金で受け取ると、まとまった資金が手に入るため、投資に回そうと考える人は多いでしょう。しかし、投資経験が浅い状態で、高利回りを求めて安易にリスクの高い商品を選んでしまうと、大きな損失を被る可能性があります。

 

特に、金融機関の勧誘に乗せられて、十分な理解のないまま投資を始めてしまうことが、失敗の大きな要因となっています。退職金を運用する際は、自身の投資目的やリスク許容度をしっかりと見極め、それに合った商品を選ぶことが大切です。また、投資に関する知識を身につけ、リスクとリターンのバランスを理解することが賢明な投資につながります。

 

受け取り方法の選択ミス

退職金の受け取り方法には、大きく分けて「退職一時金」と「退職年金」の2種類があります。「退職一時金」で受け取る場合は、税制上の優遇措置により税負担が軽減されます。「退職年金」で受け取る場合は、運用益が上乗せされる一方で、税制上の優遇はなく、税負担が重くなる可能性があります。

 

自身のライフスタイルや将来の資金需要に合わせて、最適な受け取り方法を選択することが重要です。また、企業によって選択できる受け取り方法が異なるため、早めに確認しておくようにしましょう。

 

税金の計算ミス

退職金を受け取る際には、退職所得税が課税されます。この税金は、勤続年数に応じて異なる計算方法で算出されるため、計算を誤ると想定外の税負担を強いられることになります。

 

ですから、退職金の税金については早めに理解しておくことが重要です。退職前に社内の担当者や税理士などの専門家に相談し、適切な税金計算を行うことが望ましいでしょう。

 

退職金は、長年の勤務に対する報酬であり、セカンドライフの資金としても重要な役割を果たします。投資の失敗、受け取り方法の選択ミス、税金の計算ミスなどの失敗を避け、賢明に活用することで、充実した退職後の生活を送ることができます。

できるだけリスクを抑えて退職金を増やすには?

退職金を増やすためには、できるだけリスクを抑えつつ賢く運用することが求められます。以下に、リスクを抑えて退職金を増やす方法を紹介します。

 

確定拠出年金の活用

確定拠出年金(DC)は、加入者が自分で掛金を運用し、その結果に基づいて給付額が決まる年金制度です。DCは、節税効果が高く、リスクを抑えて資産を増やすことができます。会社によっては確定拠出年金への移行が進んでいるため、DCを上手に活用することで、退職金を増やせます。

 

安定的な投資の実践方法

長年の勤労の対価として受け取る退職金は、老後の生活を支える重要な資金です。しかし、運用方法によっては元本を損なうリスクもあり、不安を抱える方も少なくありません。そこで、退職金運用における安全性を重視した投資戦略について解説します。

 

元本確保型の商品の活用

元本確保型の商品は、投資元本が保証されているため、安心して投資できます。代表的な商品には、定期預金、国債、保険商品などがあります。これらの商品は利回りがそれほど高くないものの、元本割れのリスクがほとんどないため、退職金の一部を配分するのに適しています。

 

分散投資の実践

分散投資は、リスクを抑えながら、安定的なリターンを得るための重要な戦略です。投資先を複数の資産クラスに分散することで、特定の資産の値動きに左右されにくくなります。株式、債券、不動産、商品(コモディティ)、不動産クラウドファンディングなど、異なる特性を持つ資産に投資するようにしましょう。

 

⇒【関連記事】不動産投資で気軽に分散投資ができる「不動産クラウドファンディング」とは?

 

長期的な視点の重要性

退職金の運用は、長期的な視点を持つことが大切です。短期的な値動きに一喜一憂するのではなく、10年、20年先を見据えた投資計画を立てましょう。長期投資には、複利効果によって資産が着実に増えていくというメリットもあります。

 

iDeCoの活用

iDeCo(個人型確定拠出年金)は、個人で加入できる確定拠出年金制度です。iDeCoに加入することで、税制優遇を受けながら、資産を増やせます。資産の一部をiDeCoに振り向けることで、老後の資金準備を強化できます。

 

専門家への相談

退職金の運用や税金については、専門的な知識が必要となります。ですから、FP(ファイナンシャルプランナー)や税理士などの専門家に相談することをおすすめします。FPは個々のライフスタイルやライフプランに合わせた資産運用や保険、税金などの金融全般に関するアドバイスを、税理士は税法に関する専門的なアドバイスを提供できます。これらの専門家の助言を受けることで、自身のライフスタイルや将来の目標に最適な退職金の運用方法を見つけるとよいでしょう。

安心の老後を迎えられるように準備を

退職金は、老後の生活資金として非常に重要です。退職金を管理し、増やす際には、市場の変動を理解し、よくある失敗を避けることが大切です。確定拠出年金やiDeCoを活用し、リスクを考慮した投資を行い、専門家のアドバイスを求めることで退職金を効果的に活用し、安心の老後を迎えられるよう準備しましょう。

この記事を書いたスタッフ

OWNERS.COM編集部