クラウドファンディング
2024.07.04
不動産クラウドファンディングが注目されるなか、投資詐欺によるトラブルも見られるとして、国土交通省は注意喚起を発表しました。この記事では、不動産クラウドファンディングにおける詐欺のリスクや、詐欺を避けるためのポイントを解説します。安全に投資を行うために、ぜひ参考にしてください。
この記事の目次
不動産クラウドファンディングを含む小口化不動産において、詐欺の被害に遭う事例が増加しています。これを受け、国土交通省は『小口化不動産への投資をかたった詐欺的勧誘等に係る注意喚起』を発表しました。
本文書より、注意喚起の内容や詐欺被害の事例について紹介します。
不動産クラウドファンディングで、無登録・架空業者による詐欺被害などが見られました。そのため、投資する際には業者の許可・登録等の状況を確認するよう、国土交通省は呼びかけています。
「必ず儲かる」と説明したり、投資リスクの説明がなかったりする行為は、不適切な勧誘・販売行為であるため、注意が必要です。その場で投資判断をせずに、専門家に相談することを推奨します。
インターネットを通じた販売形態では、商品説明や重要事項説明が十分にされない場合もあります。不明点があれば販売業者や専門家に相談することが重要です。
国土交通省の注意喚起では、以下の2つの被害事例が示されています。
【事例1】
被害者は、インターネットのポイントサイトで投資のキャッシュバックキャンペーンを見かけました。投資物件について詳細の説明は受けていませんでしたが、キャッシュバックが魅力的だったため、出資を決意します。しかし、事業者が処分を受け、換金不能となったのです。事業者の規約に中途解約不可の記載があるため解約できず、換金を受けることができませんでした。
【事例2】
被害者は、投資に詳しい友人から勧誘を受け、事業者に連絡をしたところ、出資を強く勧められました。しかし、インターネットで信頼性を調べたり、知人に相談したりしたところ、架空業者による同様の詐欺があることを知り、結果的に出資はしませんでした。架空の業者が、実在するクラウドファンディングサイトを模倣した偽サイトへ誘導するという悪質な手口だったのです。
出典:国土交通省ホームページ『小口化不動産への投資をかたった詐欺的勧誘等に係る注意喚起』(https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/totikensangyo_tk5_000211.html)
不動産クラウドファンディングは不動産特定共同事業法に基づき運営されており、サービスを提供するには国土交通大臣または都道府県知事の許可が必要です。許可事業者は厳しい基準をクリアしているため、本来であれば詐欺の心配は少ないといえます。
しかし、許可や登録がされていない運営会社へ投資すると、詐欺被害に遭うおそれがあります。特に悪質な手法として知られるのが、ポンジスキームです。
ポンジスキームは、利益を出資者に還元する名目で資金を集めた後、運営会社が行方をくらます手法です。新たな出資者から集めた資金を他の出資者に分配することで、出資者は利益を得ていると信じてしまうのです。最終的に分配金が支払われなくなり、運営会社との連絡が途絶えた時点で、詐欺に遭ったことが明らかになります。
とはいえ、本来の不動産クラウドファンディングは安全なサービスであるため、注意するポイントを把握しておくことでリスクを抑えられます。
不動産クラウドファンディングに投資する際は、以下の3つに注意することで、詐欺に遭うリスクを抑えられます。
ひとつずつ解説していきます。
信頼性の高い事業者を選ぶことで、詐欺に遭うリスクは大幅に低減できます。不動産特定共同事業者の許可事業者であれば信頼できるため、許可の有無を必ず確認しましょう。許可事業者は国土交通省のサイトで確認できます。
また、事業者の実績や財務状況、運営体制を確認することが重要です。過去の投資家からの評価や口コミも参考にするとよいでしょう。
詐欺被害を避けるには、投資物件の情報が開示されている案件を選びましょう。
物件情報が詳細に公開されていれば、実在する物件であるか否かを確認できます。周辺の不動産価格や賃料相場とかけ離れていないかを判断することで、架空の案件でないかを見極めることも可能です。
投資において元本割れのリスクを完全になくすことはできませんが、情報を確認することで、リスクを最小限に抑えられます。
不動産クラウドファンディングに投資する際は、出資先を複数のファンドに分散することがおすすめです。分散すると、一つのファンドに問題が発生しても、損失を一部に限定できるため、被害が大きくなることを回避できます。
また、詐欺の心配がない案件であっても、投資の損失リスクを抑える上で、分散投資は有効な手法です。不動産クラウドファンディングなら、一口1万円から出資できるため、複数のファンドに資金を分散しやすくなっています。
不動産クラウドファンディングは、不動産特定共同事業法に基づき運営されており、本来であれば詐欺の心配は少ないサービスですが、投資する際は信頼性の高い事業者を選ぶことが重要です。
OWNERS.COMでは、不動産特定共同事業法の許可を取得している事業者のみを掲載し、会員登録をされている方にファンドの最新情報を配信しています。安心して投資を始めたい方は、ぜひご登録ください。