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2024.06.25

不動産クラウドファンディングは儲かる?本場・アメリカの市場規模から考える

不動産クラウドファンディングは儲かる?本場・アメリカの市場規模から考える

不動産クラウドファンディングは、一口1万円から始められることで話題の不動産投資方法です。とはいえ、本当に儲かるのかと疑問に感じている方もいるのではないでしょうか。この記事では、不動産クラウドファンディングの本場・アメリカの市場規模から、今後の見込みまでを解説します。ぜひ参考にしてください。

アメリカにおける不動産クラウドファンディングの市場の現状

引用:Polaris Market Research『Real Estate Crowdfunding Market Size, Share Global Analysis Report, 2023-2032』(https://www.polarismarketresearch.com/industry-analysis/real-estate-crowdfunding-market

 

世界の不動産クラウドファンディング市場は、2021年に100.78億米ドル、2022年に142億9,490万米ドルに達し、2023年には210億米ドルを超えました。

 

中でもアメリカは不動産クラウドファンディングの本場であり、世界市場の約4割を占めるほど活発化しています。

米国で不動産クラウドファンディングの規模が拡大した背景

アメリカで不動産クラウドファンディングの市場規模が拡大したことには、いくつかの要因があります。その背景を見ていきましょう。

 

リーマンショック後に不動産投資の安定性が評価された

2008年のリーマンショックをきっかけに、アメリカでは不動産投資にメリットを感じる人が増えました。株式投資よりも不動産投資のほうが、リーマンショック後の回復率が好調だったことが理由として挙げられます。

 

今後また訪れるかもしれない金融危機に不安を感じる投資家は、不動産投資の安定性を選ぶ傾向があります。

 

コロナ禍でも高いリターンが得られた

コロナのパンデミックがあった際には、渡航制限や経済不安により不動産取引が停滞し、投資の市場全体に影響がありました。

 

その中でも不動産クラウドファンディングでは、既存不動産の再生や、コロナ禍で需要が高まったニッチな分野の不動産など、さまざまなファンドが展開されました。

 

先行き不透明な中でも高いリターンを得られることや、ポートフォリオを多様化できることに魅力を感じた投資家も多く、市場が成長を続けています。

 

法整備や施策の実施により投資が後押しされた

不動産クラウドファンディングに有利な施策が実施されていることも、業界の成長を後押ししています。

 

新興成長企業の資金調達を円滑化するべく、2012年に証券法の適用除外としたほか、2022年のJOBS法4.0ではプラットフォームの規制の見直しなど、大幅な改革が行われました。

 

法整備により、投資家がオンラインで不動産クラウドファンディングに出資しやすくなり、新規投資家の参入も増えています。

 

中古市場が成熟している

不動産クラウドファンディングが普及している要因として、アメリカでは中古物件の市場が成熟していることも挙げられます。

 

アメリカの建築物は適切なメンテナンスを施すことで、年数が経っても価値が下がりにくい傾向があります。そのため、中古物件の流動性が高く、不動産クラウドファンディング上でも取引がしやすいように整備が行われました。

 

また、アメリカでは販売を開始した中古住宅について、すべての情報がデータベースに登録され、不動産会社に限らず誰でも閲覧可能になっています。

 

日本でも近年は不動産IDの整備が進んでおり、メンテナンス履歴や過去の入居率などのデータを共有することで、中古住宅の価格が上昇する可能性があると考えられています。こうした施策が進んでいけば、日本国内における市場規模もさらに拡大するでしょう。

 

IT技術の発展・活用が進んでいる

アメリカで不動産クラウドファンディングが普及している背景には、IT関連の技術が進んでいることが挙げられます。

 

テクノロジーの発展によって、不動産クラウドファンディングがより効率的で使いやすい投資方法になりました。投資家はオンラインで物件を探して簡単に投資することができ、運用の報告を定期的に受け取ることができます。

 

さらに海外では、多くの不動産クラウドファンディング・プラットフォームで暗号通貨を採用する傾向が強まっていることも、業界成長の原動力となっています。

不動産クラウドファンディング市場は今後も拡大する見込み

アメリカにおける市場規模の拡大を踏まえると、不動産クラウドファンディングの市場は今後も伸びていくことが予想されます。ここでは、今後の展望について見てみましょう。

 

世界の市場は「年平均成長率は50.1%」で成長する

不動産クラウドファンディングの市場規模は、流通物件の増加や投資機会の多様化、ブロックチェーン技術の発展により、今後も拡大することが見込まれます。

 

2023年に約210億米ドルだった市場規模は、2036年までに約2兆7,247億米ドルに達すると考えられており、年平均成長率は2036年までの期間で50.1%と予測されています。

 

日本の市場も急成長している

引用:Research Nester『世界の不動産クラウドファンディング市場調査、規模、シェアと予測 2036年』(https://www.researchnester.jp/reports/real-estate-crowdfunding-market/2874

 

市場の拡大が期待されるのは、アメリカのみではありません。日本を含むアジア太平洋地域の市場は、2036年末までに世界最大シェアを誇ると予測されています。

 

日本の市場は、主に大規模建築物の増加によって急成長しており、GDPの5.5%以上に貢献しています。

 

日本で不動産クラウドファンディングが普及したきっかけは、2011年の東日本大震災の復興支援でした。そのほか、東京オリンピックの影響もあり、過去10年に渡って規模が拡大しています。現在も進行中のプロジェクトが多数あり、物流施設などの建設プロジェクトはそのひとつです。

 

国内外を問わず、不動産クラウドファンディングを行ううえで有利となる制度や、プラットフォームの整備は今後も進むことが推測されるため、市場規模はますます拡大していくことでしょう。

期待高まる不動産クラウドファンディング、最新情報をお見逃しなく

不動産クラウドファンディングの本場・アメリカでは、世界市場の約4割を占めるほど、取引が活発化しています。世界の不動産クラウドファンディング市場は、2023年には210億米ドルを超えました。

 

今後も市場規模は拡大していくと予想されるため、まずは実際にプラットフォームを閲覧し、物件をチェックするところから始めてみてはいかがでしょうか。

 

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この記事を書いたスタッフ

OWNERS.COM編集部