不動産投資
2023.05.16
不動産投資における自己破産率は、世間が思うほど高くはないようです。しかし、自己破産までは行かずとも厳しい状態で運用している投資家も少なくありません。自己破産を防ぎ、かつ不動産投資を成功へ導くには、勉強や情報収集が必要です。本記事では、不動産投資に興味がある方に向けて、勝つためのポイントを解説します。
この記事の目次
不動産投資で自己破産した人の割合は公表されていないため、正確な数値はわからないものの、金融機関のデータを活用することで、ある程度は推測することが可能です。
東京商工リサーチの調査*によると、国内106銀行の金融再生法開示債権比率の中央値は、2022年9月時点で1.84%でした。金融再生法開示債権とは、金融機関に開示が求められている不良債権のことです。
*東京商工リサーチの調査『2022年9月中間期決算(単独)金融再生法開示債権比率は1.84% 貸倒引当金積み増し60行 ~国内106銀行「金融再生法開示債権」の状況調査~』(https://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20221221_02.html)
1.84%と聞くと多いように感じるかもしれませんが、金融再生法開示債権には企業の倒産も含まれる上に、不動産投資以外が要因である破産もすべて算入されています。
さらに調査対象は不動産投資ローンに限らず、外国為替などの有価証券も含まれているため、不動産投資で自己破産した人の割合は、実際には1.84%よりも相当低いと考えられます。
またオリックス銀行が開示している決算資料*によると、2023年3月期の不良債権比率は0.35%でした。これはオリックス銀行が貸し出している融資全体における不良債権が0.35%であることを示しています。
この不良債権の中には不動産投資以外の融資も多く含まれているため、オリックス銀行における不動産投資の自己破産比率は、0.35%よりも低いといえるでしょう。
*オリックス銀行『2023年3月期中間期 決算説明資料』(https://www.orixbank.co.jp/aboutus/disclosure/pdf/kessansetsumei_2211.pdf)
不動産投資における自己破産率は意外と低いことがわかりましたが、中には破産に至ってしまう人もいます。その原因として挙げられるのは、以下の3つです。
原因を知ることで破産を回避しやすくなるので、ひとつずつ見ていきましょう。
不動産には定価がないため、売主の意向によって販売価格が設定されます。特に売却を急いでいない場合は、相場よりも高い価格で売りに出しているケースも少なくないでしょう。
しかし立地や築年数、面積などが同じ条件であれば、家賃が安いほど入居が決まりやすいため、高額物件であっても高い賃料を設定できない可能性も考えられます。購入価格に対して家賃収入が少なければ、利回りは低くなり、融資の返済が厳しくなるかもしれません。
周辺相場を確認し、妥当な価格か否かを判断することが大切です。
賃貸物件の家賃相場は築年数とともに下がる傾向があるため、下落を見込んでおかなければ、キャッシュフローが厳しくなることもあるでしょう。また満室を前提にした収支計画を立ててしまうと、空室が発生した場合に実際の収支と乖離することになります。
空室率や家賃相場は、物件の立地によっても大きく変わります。需要の高いエリアを選ぶことは、不動産価値を維持するためにも有効な手段のひとつです。
不動産投資では毎月のローン返済だけでなく、維持管理費用もかかります。日常的な補修費用に加え、設備の交換や大規模なリフォーム費用も発生します。また固定資産税などの税金も支払わなければなりません。
投資のシミュレーションを行う際には、これらの維持費も想定しておく必要があります。予期せぬ出費が発生し、家計に負担がかかることを避けるためにも重要です。
さらに空室が生じた場合には家賃収入が減少し、不動産投資以外の収入でローン返済をまかなわなければなりません。そのため、本業や副業における収入の変動も考慮しておくことが重要です。
前項では自己破産に至ってしまう原因をお伝えしました。ここからは、破産を防ぎ、不動産投資で勝つための3つのポイントを紹介します。
それぞれ解説していきます。
不動産投資で自己破産を防ぐには、必要な支出や収入の変動を加味して、長期的な収支計画を立てることが重要です。
たとえば家賃の下落率は一般的に年率1%といわれていますが、新築物件は賃料を高く設定しやすい分、下落も大きくなります。そのため最初の10年間は下落率2%程度で見込んでおくとよいでしょう。周辺物件の状況をチェックすることで、空室率を想定することも可能です。
また、修繕・リフォーム費用や税金などの維持費を洗い出し、長期にわたるシミュレーションを作成します。将来の転職や定年退職など、本業の収入が変動する可能性も考慮しておきましょう。
ローンの借り換えとは、新しいローンを契約して現在のローン残高を返済することです。その後は新しいローンの返済が必要になります。
金利は常に変動するため、数年経つと借入当初よりも低い金利になっている場合も珍しくありません。また返済に滞りがなければ、審査に通過しやすくなり、より良い条件で借り換えできる可能性もあります。
金利が下がると毎月の返済額が減り、支払う利息の総額も少なくなるため、借り換えを検討するのもひとつの手段です。
投資で自己破産する要因のひとつには、多額のローンを組むことが挙げられます。反対に、生活に支障がない程度の少額を、現金で投資するのであれば、自己破産する可能性はほぼないといえるでしょう。
利回り3~5%程度で運用できれば、少額から始めても資産は増えていき、不動産投資で勝つことが可能です。
不動産投資における自己破産率は、世間が想像するよりもはるかに少ないといえます。長期的なシミュレーションを作成し、より良い条件のローンに借り換えれば、リスクを回避することも可能です。
さらに、少額投資であればローンを組まずに不動産投資ができるため、破産する可能性は極めて低くなるでしょう。
たとえば不動産クラウドファンディングなら、月1万円から投資を始められます。投資に対して不安がある方は、まず不動産クラウドファンディングから始めてみてはいかがでしょうか。