クラウドファンディング
2023.04.21
不動産投資に興味があったとしても、資金や運用などの問題から、あきらめている人は多いのではないでしょうか。ところが近年、少額から不動産に投資できるサービスとして、「不動産クラウドファンディング」が注目されています。低リスクで安定的な投資ができるため、若年層からも人気の商品です。しかし、どのように始めればいいのか、本当に利益を出すことができるのか、不安な人も少なくないでしょう。そこでこの記事では、初心者にもわかりやすく、不動産クラウドファンディングの基礎知識と始め方を紹介します。
この記事の目次
不動産クラウドファンディングとは、運営事業者がインターネット上で不特定多数の投資家から資金を募り、それを元手に不動産投資を行うサービスです。投資家には出資した金額に応じて賃貸料収入や不動産売却益が分配されます。想定利回りは約3~8%で、家賃の回収や入居者募集、設備の修繕などの物件の管理は運営事業者が行います。
これまでの不動産投資では、不動産を購入するためにまとまった資金が必要で、運用が難しく、物件を管理する手間がかかりましたが、不動産クラウドファンディングでは、これらの問題がありません。多忙な人でも始めることができます。しかも1万円からの少額投資ができるため、低リスクで安定的な不動産投資として若年層からも人気です。
また、口座開設の手続きやファンドへの投資も簡単です。不動産投資の感覚をつかむために始めてみるのもいいでしょう。まさに不動産投資に挑戦してみたい人におすすめできるのが、不動産クラウドファンディングなのです。
少額から始められ、低リスクで安定的な不動産クラウドファンディングですが、リスクのない投資は存在しません。周りに不動産投資をしている人がいるのなら話を聞いてみたり、書籍やセミナーなどで不動産投資について学んだりするなど、事前に知識をつけておくといいでしょう。始める前に、初心者が押さえておくべき主なポイントは次の3つです。
・ハイリターンは期待できない
不動産クラウドファンディングでは、運用の途中で投資した案件の価値が下がっても、運営事業者が負担してくれる劣後出資という制度を採用しています。そのため、利回りが下がったり、元本割れしたりするリスクは低く設定されています。ただし、低リスクでできる投資なので、大きなリターンは期待できません。
・人気の案件は即応募する
投資可能な上限金額が設定されているため、人気の案件は開示とともに応募が殺到し、即締め切りになることがめずらしくありません。案件の情報は事前に公開されますのでチェックしておき、投資したい案件があれば、開示とともに即応募できるようにしましょう。
・中途解約できない
クーリング・オフは認められていますが、運用期間中のキャンセルはできません。この運用期間、無理なく投資を続けられる資金が確保できるのか確認しておきましょう。余剰資金で投資を行うといいでしょう。
低リスクで安定的な不動産クラウドファンディングを始めるには、運営事業者選びが重要となってきます。ポイントとなるのは、次の3つです。
・投資案件や募集金額が多い
投資案件が多いと複数の案件と比較できるため、いい案件が見つかる確率が高くなります。さらに募集金額が多いと投資のチャンスが確実に増えます。
・開示情報の量が多い
リスクを回避するには、開示情報が多いほうがいいのはいうまでもありません。物件の名称や所在地、物件種別、築年数、面積、設備・内装の様子、収支シミュレーションなど、投資判断に欠かせない情報が多いほど、多角的かつ正確に判断できます。
・不動産の種類が豊富
投資対象となるのはマンションなどの居住用不動産だけではありません。ホテルや民泊物件、学校、保育園、商業施設などさまざまです。安定した収益を求めるのなら居住用不動産、少々リスクが高くても利回りのよさを狙うならホテルや民泊物件、商業施設、社会貢献につながる投資なら学校や保育園といったように、不動産の種類が豊富だと目的に合わせて投資することができます。
投資する運営事業者を選んで会員登録し、口座を開設すれば、初心者でも簡単に不動産クラウドファンディングを始めることができます。会員登録から口座開設、投資開始の手順の概要は一般的に次のとおりです。
手順1:運営事業者のサイトにアクセス
まず運営事業者(クラウドファンディング事業者)を選びます。運営事業者によって登録されている投資先(ファンド)やサービス内容が変わるため、慎重に選ぶ必要があります。
手順2:会員登録の申請
メールアドレスなどの必要事項を入力すると、仮登録完了メールが返信されます。メールに記載されたURLから会員登録ページに移動し、必要事項を入力して登録申請します。
手順3:投資家情報の入力
投資家審査があるため、銀行口座情報など審査に必要な投資家情報を入力します。
手順4:本人確認書類の提出
運転免許証、マイナンバーカード、パスポート、健康保険証などの本人確認書類1~2点を、パソコンかスマートフォンのカメラ機能から読み取ることで手続きできます。
手順5:会員登録の完了
審査が通れば口座開設も完了となります。口座へ入金すれば、不動産クラウドファンディングを始めることができます。
手順6:投資したいファンドを選ぶ
情報開示では、投資判断に欠かせない情報がファンドごとに細かく記載されています。これらの情報をじっくり検討したうえで、投資したいファンドを選びます。
手順7:投資金額(口数)を入力し、投資開始
投資したいファンドが決まったら、投資金額を入力すれば投資開始となります。
これまで見てきたとおり、初心者でも会員登録から口座開設、投資開始がインターネットだけで簡単にできるのが不動産クラウドファンディングの魅力です。また、1万円からの少額投資ができるため、低リスクで安定的な不動産投資といえます。家賃の回収や入居者募集、設備の修繕といった物件の管理も運営事業者がしてくれるため、手間がかかりません。まさに初心者におすすめの投資といえます。