クラウドファンディング
2023.04.14
近年、SDGsの広がりとともに、ESG投資に対する関心も高まっています。不動産分野においても例外ではなく、不動産クラウドファンディングでESG投資を行える案件がすでに存在しています。そこで本記事ではESG投資の概要や、不動産クラウドファンディングにおける事例を紹介します。ESG投資を考えている方は、ぜひ参考にしてください。
ESGとは「Environment(環境)・Social(社会)・Governance(ガバナンス)」の頭文字を取ったものです。環境や社会に配慮した事業を行い、適切な企業統治がされている会社へ行う投資をESG投資といいます。
たとえば再生可能エネルギーの活用や、温室効果ガス排出量の削減などが、環境への取り組みのひとつです。また社会への取り組みとしては、人材育成やワークライフバランスの確保、ガバナンスには情報開示の透明性などが挙げられます。
近年、SDGs(持続可能な開発目標)が採択されたことによって、さまざまな企業が環境問題・社会問題の解決へ向けて資金を投入しています。
投資家にとってはESG投資を行うことで社会貢献もできる上、長期的な収益を見込めることがメリットとなるでしょう。
不動産分野のESG投資は国からも推進されており、不動産によって解決できる環境や社会の問題は多いといわれています。
たとえば高齢者施設や保育所の運営、空き家再生に向けた投資などがESG投資の代表例です。人口減少や少子高齢化のほか、地球温暖化や自然災害への対策など、幅広い課題へ対応できるのが不動産だと考えられています。
また、投資対象物件の建築に地元の木材や職人を活用することで地域活性化につなげることも、不動産ESG投資に期待される効果のひとつです。
中長期的なESG投資を呼びかけるために、国は不動産投資市場の魅力を高め、環境整備を進める方針を打ち出しています。不動産分野においてESG投資に期待を寄せる投資家も多く、将来的な収益性の向上が注目されています。
ここからは、不動産クラウドファンディングで実際に取り扱われているESG投資の事例を4つ紹介します。
ひとつずつ見ていきましょう。
不動産クラウドファンディングにおけるESG投資の代表的な例として、保育園が挙げられます。投資家から集めた資金は、保育園の建設や運営の資金に充てられるケースが多いです。
2019年に実際に成立した事例では、集めた資金で土地を取得することによって、保育園の建設・オープンにまで至りました。待機児童問題を解消し、地域社会の課題を解決したESG投資の事例です。
さらに保育園の運営からは安定した収入が得られることが多いため、社会貢献できるだけではなく収益面でもメリットがあります。
学校などの教育施設へ行う投資も、ESG投資のひとつです。投資家から集めた資金は施設の建築・購入に充てられる場合もあれば、学校の運営資金として活用されるケースもあります。
2019年に不動産クラウドファンディングで成立した案件では、新学科の設立費用など、既存の学校の運営資金を調達することに成功しました。
社会の役に立つ学校の運営を支えられるのも、ESG投資ならではといえるでしょう。
使用されなくなった既存建築物を活用し、新たな用途でリニューアルオープンすることも、地域創生の一環として注目されています。
不動産クラウドファンディングで実際に募集された案件では、過疎化によって利用されなくなった小学校の施設を、ホテルとしてリニューアルすることに成功しました。
人口減少や少子高齢化による課題を解消しながら、地域の活性化にも寄与するESG投資の事例です。
再生可能エネルギー設備への投資も、不動産クラウドファンディングで見られるESG投資のひとつです。
再生可能エネルギーの代表的なものには、太陽光発電や風力発電などがあります。CO2を排出しない発電方法のため、導入へ向けた資金調達はESG投資とされています。
2021年に募集されたファンドでは、集めた資金で幼稚園の屋根に太陽光発電設備が設置されました。運用期間17年という長期案件でありながら完売となり、再生可能エネルギーが投資家からも注目されていることがわかります。
ESG投資とは、環境や社会に配慮した企業に投資することです。不動産分野においては、高齢者施設や保育所、再生可能エネルギー設備などへの出資がESG投資として挙げられます。
SDGsが採択されたことにより、国や企業が環境問題・社会問題に注力しているため、長期的な収益を見込める投資として期待が高まっています。
不動産クラウドファンディングなら少額から出資できるため、本記事の内容を参考に、ESG投資の案件を探してみてはいかがでしょうか。