クラウドファンディング
2023.04.25
不動産クラウドファンディングを始めるにあたって、元本割れするケースを心配している方も多いのではないでしょうか。投資である以上、損失が出る可能性はゼロではありませんが、事前に対策することによってリスクを避けやすくなります。そこで本記事では、不動産クラウドファンディングで元本割れになるケースと、リスクの回避方法を解説します。損失を抑え、安定した運用をしたい方はぜひ参考にしてください。
この記事の目次
不動産クラウドファンディングにおける元本割れとは、運用終了後に償還される金額や分配金が、投資した金額を下回ってしまうことを指します。元本割れを起こすケースには、主に以下の3つがあります。
それぞれのケースを見ていきましょう。
不動産クラウドファンディングには、投資対象の不動産を売却することで利益を得るキャピタルゲイン型の案件があります。この場合に元本割れが起こるのは、何らかの理由により売却金額が購入金額を下回ったケースです。
売却金額が安くなる要因としては、周辺環境の変化により物件の価値が下がることや、国内情勢の影響によるケースが考えられます。
家賃収入など定期的な利益を得るインカムゲイン型の案件も、不動産クラウドファンディングには多くあります。しかし想定通りのインカムゲインが得られずに、元本割れする可能性もあるでしょう。
たとえば入居率が当初の計画よりも低くなり、空室だらけになってしまうと、家賃収入が得られません。また運用期間中に家賃相場が下がってしまった場合も、収益減につながるケースがあります。
不動産クラウドファンディングは、投資対象の不動産を直接購入するのではなく、運営事業者に出資する形式となっています。そのため案件を運用している事業者が倒産してしまうと、投資した金額が返還されないケースがあります。
運営事業者は国が定める要件をクリアしているため、リスクは低いといえますが、倒産する可能性も考慮して業者を選びましょう。
前項でお伝えしたとおり、不動産クラウドファンディングには元本割れのリスクがあります。しかし以下の4つの方法によって、リスクを回避することは可能です。
それぞれの方法を解説します。
不動産クラウドファンディングで元本割れを防ぐには、運営事業者の情報を確認することが重要です。
たとえば運営年数が長く実績も豊富な会社であれば、運用のノウハウが蓄積されているでしょう。そのため、収益が上がらずに元本割れする事態を防ぎやすいと考えられます。
さらに成立した案件の運用実績が公開されている会社なら、過去に元本割れを起こしていないか否かも確認できます。
また資本金や会社の規模、経営状況などもチェックしましょう。資本金が多ければ突然倒産する可能性は低く、出資金が返還されないといったリスクを避けやすくなります。
投資物件を選ぶ際に、利回りの高さだけで判断するのは避けましょう。利回りが高い案件の中には、満室を想定して利回りが計算されているものや、需要が少なく購入金額が低い物件などがあるためです。
たとえばマンションなどで満室を想定している場合、空室が生じると実際の利回りは予定よりも低くなってしまいます。
また、購入金額が低い物件は計算上で利回りが高くなるのが特徴です。しかし需要が少なければ家賃収入が得られないだけではなく、売却金額が安くなるリスクもあります。利回りが高い場合は、高くなっている原因を考えたうえで検討しましょう。
不動産クラウドファンディングでは、投資家の利益を守るために優先劣後方式が採用されている場合が多いです。優先劣後方式では、損失が出た場合に投資家の出資金よりも先に、運営事業者の出資金によって補填を行います。
そのため損失よりも事業者の出資金の方が多ければ、元本割れは起こりません。運営事業者による出資(劣後出資)の割合が多いほど、元本割れのリスクは少なくなります。
劣後出資の割合は運営事業者や案件により異なるため、契約前に必ず確認しましょう。
不動産クラウドファンディングでリスクヘッジをするには、投資先を分散することが重要です。万が一、収益が上がらない案件があっても、複数の投資先があれば損失を相殺することが可能です。
案件の数を増やすだけではなく不動産の種類や運用エリアを分散させるなど、さまざまな物件に投資することによって、リスクを回避しやすくなります。
不動産クラウドファンディングで元本割れを起こすケースには、売却金額や家賃収入が想定を下回る場合や、運営会社が倒産する場合が挙げられます。
しかし運営事業者の情報や劣後出資の割合を確認することで、元本割れは回避しやすくなります。また利回りの高さだけで判断せず、分散投資を行えばリスクを抑えられるでしょう。
本記事で紹介したポイントを踏まえて、不動産クラウドファンディングの案件を選んでみてください。