不動産投資
2023.02.08
不動産投資において、新築物件には需要の多さやローンの組みやすさといったメリットがあります。その一方、新築物件で失敗するケースもゼロではありません。また、新築は建物価格が高いため、購入に踏み切れない方もいるのではないでしょうか。そこで本記事では、新築物件の賃貸経営で失敗する理由とそれぞれの対策を解説します。不動産投資の物件選びで失敗をしたくない方は、ぜひ参考にしてください。
この記事の目次
新築物件の賃貸経営には様々なメリットがありながら、以下の5つの理由によって失敗することもあります。
それぞれの理由とあわせて対策も紹介するので、ひとつずつ見ていきましょう。
家賃の下落は収入に直結するため、賃貸経営で失敗する理由のひとつとなっています。
新築物件は家賃を高く設定できるのが魅力ですが、一度でも人が入居した後は中古扱いとなるため、賃料を下げざるを得ません。その後も年数が経過するとともに、家賃は下落していきます。
中古物件も経年劣化により家賃が下がる点は同様ですが、新築は最初の設定が高い分、下落幅が大きくなります。近隣で新しい物件が建った場合には、競争力の低下や供給過多による家賃の引き下げも考えられるでしょう。
また、土地を購入して新築する場合は、計画段階と建物完成時で家賃相場が変わっているケースもあります。その場合、入居の受付開始時から家賃を下げることにもなりかねません。
家賃の下落によるダメージを最小限に抑えるには、新築時の強みがなくなった後のことを想定し、長期的にキャッシュフローを考えておくことが重要です。
利回りとは投資した金額に対する利益の割合で、利回りが高いほど収益が大きいことを意味しています。
新築物件は建物購入価格が高い分、中古物件よりも利回りが低くなりやすい点が特徴です。ただし中古物件と違い、過去の運用実績による実際の利回りはわかりません。
たとえば、物件情報の中には高い利回りが記載されている新築物件もあります。相場よりも高い家賃設定で計算されているなど、実際にはその数値にならないケースもあるため、利回りだけを見て選ばず慎重に検討しましょう。
また、建築費を抑えることで利回りが高くなっている場合は、建物の仕様やグレードが低いなど、入居者の満足度低下につながることもあります。利回りの数値が不自然に高い場合は、近隣物件との比較をしてみてください。
新築物件はローンを組みやすいため、購入時には借り入れをする人も多いでしょう。しかし返済計画に無理があると、建物の修繕など突発的な支出に対応できず、賃貸経営に失敗する要因となります。
また、不動産ローンの返済計画は家賃収入を見込んで考えるものですが、想定以上の空室率になった場合は、当初の計画とのズレが生じます。
そのため不動産投資以外にも収入がある場合は、空室を想定して本業・副業の収入による返済をシミュレーションしておくことも大事です。
さらに、不動産ローンは物件の担保価値なども審査で加味されているため、審査に通った借入額が、本人にとって無理なく返済できる金額とは限りません。自身のライフプランにあわせて返済計画を立てましょう。
新築物件は中古物件と違い、過去の運用データがないため収支計画を立てるのが難しい点も、失敗する理由として挙げられます。シミュレーションを作成してもあくまでも想定であり、その通りに進むかどうかは実際に運用してみなければわかりません。
対策として、順調にいかないケースがあることを踏まえ、複数パターンのシミュレーションをしておきましょう。
また、近隣物件の運用状況をリサーチし、空室率や家賃相場などを収支計画に反映させることも方法のひとつです。周辺相場については、詳しい不動産会社に相談するのもよいでしょう。
サブリースとは、不動産会社がオーナーから賃貸物件を一括借り上げし、入居者へ転貸する仕組みです。中古物件でも利用されるサービスですが、新築の販売時にセットで提案されるケースも見られます。
サブリースを契約すると、空室の状態でもオーナーには賃料が入るため、家賃保証として活用されるケースが多いです。ただし賃料の10~30%程度は、サブリースの利用料として差し引かれます。
そのため家賃保証があるとはいえ、最終的な収益が大きなプラスになるとは限りません。サブリースを活用することにはメリットもありますが、仕組みを理解した上で収支計画を立てましょう。
また、保証される家賃の金額や契約終了時期なども不動産会社によって異なるため、必ず契約内容を確認しておくことが大切です。
新築物件の賃貸経営で失敗する理由には、家賃の下落幅が大きいことや利回りの低さが挙げられます。また、過去の運用データがないことによるシミュレーションの難しさも要因のひとつです。
しかし長期でキャッシュフローを考え、周辺物件のリサーチをすることによって、リスクを回避することは十分に可能です。本記事で紹介した失敗の理由や対策を踏まえ、不動産投資の物件選びを進めていきましょう。