不動産投資
2022.11.22
不動産投資の利回りは、投資物件や期間を判断するための重要な指標です。「不動産投資を始めたいと考えているものの、利回りの計算方法や目安がわからず不安」という方もいるのではないでしょうか。そこで今回は、不動産投資における利回りの計算方法と目安、注意点を解説します。これから不動産投資を始めたいという方は、利回りを判断材料のひとつにできるよう、ぜひ参考にしてください。
この記事の目次
不動産投資の利回りは、投資金額に対して得られる賃料収入の割合を表した指標です。一般的に不動産投資の利回りは5〜8%といわれており、物件や購入金額によって異なります。
また、計算方法によって利回りは「表面利回り」と「実質利回り」に大別されます。これらの違いを認識していなければ、期待していた利益が得られないなどのトラブルにつながるため理解を深めておきましょう。
以下、表面利回りと実質利回りの計算方法を詳しく解説します。
表面利回りは「1年間の賃料収入 ÷ 税込物件価格 × 100」で求められます。
投資金額に対して得られる賃料収入が算出できるため、投資物件を検討する際の一般的な指標として用いられています。ただし、購入時の経費や運用コストが含まれていないため、実際に物件を購入する際は、次の「実質利回り」を確認した上で検討しましょう。
実質利回りは「(1年間の賃料収入 – 年間経費) ÷ (税込物件価格 + 購入時の経費) × 100」で求められます。
購入時の経費や運用コストを差し引かれているため、実際に得られる利益に近い金額が計算できます。実質利回りを正確に計算することによって投資効果が予測できるので、物件購入前に必ず確認しておきましょう。
不動産投資に欠かせない指標である利回りについて、投資判断をする際に注意するべきポイントを3つ解説します。
一般的に高利回りの投資物件は、大きな投資効果が得られる物件として見られます。しかし、すべての高利回り物件が投資対象に適しているとは限りません。
たとえば適切な修繕がされていない、法規制により再建築できないなどを理由に、販売価格を安くしている物件があります。賃料収入が同額であれば、購入価格が安いほど利回りは上がるため、物件情報にも高い数値が記載されます。
しかし、そういった物件は実際に運用してみると入居者が見つかりにくい上、売却も困難になってしまう可能性が否定できません。
高利回りの物件を見つけた際は「売れてしまう前に購入しなければ」と焦って契約することなく、まずは投資に適している物件であるかを確認しましょう。
不動産仲介会社のホームページや情報サイトに掲載されている利回りと、実際の利回りは異なるケースがあります。
前述した表面利回りと実質利回りで異なることも考えられますが、「想定利回り」が記載されている可能性もあります。想定利回りとは、空室率の高いアパートや入居者がいない戸建住宅を「満室」と想定した利回りです。
不動産投資は入居がなければ賃料収入が得られず、利回りが大幅に下がってしまいます。物件情報で利回りを見る際は、表面利回りや実質利回り、想定利回りなど、どの状態で計算された数値であるかを確認しておきましょう。
不動産は老朽化するにつれて、基本的に年々価値が下がっていくものです。老朽化した建物は、修繕の頻度と費用が高くなったり、賃料を下げなければならなかったりするケースがあります。こういったことが要因で、実質利回りは年々下がっていく傾向があります。
築年数の古い物件を購入する際は、固定資産税や火災保険料などの固定費だけでなく、修繕費や建物の使用期間も考慮した上で検討しましょう。
不動産投資では「運用終了後に売却するか否か、売る場合はいくらで販売するか」などの出口戦略も重要です。
適切な修繕がされていない、再建築ができないといった悪条件がある物件は、相場より安い金額で売却しなければならないケースがあります。
想定していた売却金額を下回ると、これまでの不動産収益が相殺されてしまいます。投資物件を選ぶ際は、利回りだけでなく「出口戦略」も考慮して選ぶことを意識しましょう。
不動産投資の利回りは、投資に適している物件であるかを判断する重要な指標です。
物件情報に記載されている利回りの種類や物件の特性を理解していなければ、投資効果を高めることができません。投資物件を選ぶ際は「どの計算方法で算出された利回りなのか」「実質利回りと大きな差がないか」などを確認してみてください。
これから不動産投資を始めたいと考えている方は、運用終了後の出口戦略もあわせて検討すると、より高い投資効果が期待できるでしょう。