不動産投資
2022.11.21
投資といえば不動産投資や株式投資を思い浮かべる人が多いと思います。実際、投資初心者からたびたび聞かれるのが、「不動産投資と株式投資、どちらが儲かるのか?」という質問です。同じ不動産投資でも最近ではREITやクラウドファンディングなど少額で投資できる商品があったり、株式投資でも通常より少ない資金で購入できる少額投資やミニ株があったりなど多様化しています。本稿では、オーソドックスな「現物不動産投資」と「100株単位で売買する株式投資」に焦点を当てて比較します。それぞれのメリット、デメリットを確認していきましょう。
この記事の目次
まず投資金額について比較していたいと思います。不動産投資と株式投資、それぞれいくらから始められるかについてみてみましょう。
株式は100株単位での購入が基本となります。1株数百円の銘柄もありますが、人気銘柄は1株1万円以上になるので、最低でも100万円程度の資金が必要になります。証券会社に口座を開設していれば株式は即日売買が可能です。
株式投資で利益のメインとなるのは、株式の売買による売却益です。また、株式を保有していることで配当金を得られることもあります。
一般的に、株式投資はハイリスク・ハイリターンの投資と考えられています。
将来性のある株式を購入し、利益が出るタイミングで売却することができれば購入時と売却時の差額で利益を得ることが出来ます。投資先の株価が大きな値上がりをした場合は、大きな利益が期待できます。
一方で、業績悪化時には株価が大幅に下がり、最悪の場合には企業が倒産して株の価値がゼロになり、大損するケースもあります。
不動産投資はマンションやオフィスビルの1室、または1棟の建物を購入することになるので、最低でも1,000万円以上、1棟なら数億円単位の資金が必要になります。不動産投資は現物への投資のため、短期間で初期投資額が目減りすることはありません。それどころか、建物が老朽化しても、立地条件などが良ければ値上がりする場合もあります。
不動産投資はリスクもリターンも「中程度」のミドルリスク・ミドルリターンと考えられているのが一般的です。
賃料収入は変動が小さく、毎月安定して得られることが多いため、不動産投資のリスクは株式投資などと比較して低いと考えられるのです。
株式投資、不動産投資のメリットとデメリットをみていきましょう。自分にあった投資方法を選ぶ上で参考にしてみてください。
日本の上場会社の数は2022年9月の時点で3828社(「日本取引所グループ」サイトより)あり、多くの銘柄から投資先を決めることができます。まとまったお金があれば、多くの銘柄を保有することができ、株式投資のなかで分散投資をしやすいというメリットがあります。一般的に多くの銘柄に投資すればするほど、分散投資の効果は高まります。
ネット環境が整っていれば柔軟に売買できるのも強みです。日中はほとんどの証券会社で売買できます。証券会社によっては夜間も売買が可能です。高収益が見込まれる時に売却して利益を確定したいとき、さらなる下落を回避するために売却したいときなど、自身の投資判断に基づき柔軟に売買ができるのです。
株式投資の金銭部分以外のメリットが株主優待です。企業が自社の株の投資家(基本的には個人投資家のみ)に対して、お礼を兼ねて定期的に商品券や自社が生産している製品などをプレゼントするのが、株主優待という制度です。
投資額の数%相当の価値のある優待がもらえる場合もあり、無視することができないメリットです。
株は価格変動が大きく急なため、元本割れをするリスクも大きく、企業が倒産すると基本的に株の価値はゼロになります。
株式投資では証拠金を預けて株式を貸し借りして投資を行う「信用取引」は非常にリスクが高いため、証券会社に預けた証拠金の3倍強の価値相当の株式にしか投資できないルールになっているのが一般的です。金融機関からの株式投資の融資を受けることは出来ないため不動産投資よりもレバレッジ効果が小さいと言えます。
株式投資は毎日の値動きをチェックし、適切な時期に利益確定又は損切りを行う必要があります。企業・業界の勉強や分析などを行うために勉強しなければならないこともあり、時間と手間がかかり難易度が高い点がデメリットとなります。
不動産投資を行った場合、主な収入源は家賃収入です。家賃は地価に合わせて連動することはなく、入居者がいれば毎月あらかじめ決められた金額(家賃収入)が定期的に入ってきます。そのため、市場環境にあまり左右されず、安定した投資が可能です。
建物は築年数の経過によって価値が低下しますが、入居者の付いている賃貸物件は価値がゼロになることは考えにくいため、資産価値を維持しやすいというメリットがあります。
空室率が低い場合には安定した家賃収入が毎月受け取ることができます。また不動産への投資は不況に強く、ローン完済後は自身の財産となります。定期収入を受け取りたい場合などには、不動産投資は最適な投資手法といえるのです。
不動産投資ローンを活用することで、わずかな自己資金でも高いレバレッジをかけて投資をおこなうことができます。一般的に購入時にかかる諸費用(購入物件の価格の5〜10%程度)を用意すれば、投資を始めることができます。
レバレッジでいうと約10倍〜数十倍になり、株式投資と比較すると当初から大きな資産を保有することができます。
不動産投資には空室により家賃収入が入らない「空室リスク」があります。不動産投資ローンを活用して投資を行っていた場合は、家賃収入が入らなくてもローンの支払いは続くため、結果的に月々の収支が赤字となる可能性もあります。
空室リスクよりも深刻なのは災害リスクです。地震や台風、火災などで物件が損壊してしまうと家賃収入が得られなくなるばかなりか、大規模な修繕が発生し、大きな損失につながりかねません。
火災保険などに加入しておくことで、ある程度の対策を講じることは可能ですが、すべての災害リスクを完全に回避することは困難です。
不動産投資では物件を見る目を養う必要があります。物件を見に行ってチェックする時間と労力がかかります。不動産コンサルタントに依頼した場合でも、ある程度の知識がないと良くない物件をつかまされることがあります。
また銀行の融資を使う場合、審査に通るためには、書類などの準備をしなくてはなりません。
株式投資と不動産投資を選ぶならどちらが良いか、メリットとデメリットをみてきました。投資にはリスクが伴います。株式投資は不動産投資と比べて少額で始められるものの、元本保証がなく、株価の下落リスクがあります。不動産投資には空室リスクがあり、金融機関から借入があるとさらにリスクが高まります。
不動産投資、株式投資のメリットとデメリットを考えて、自分にあった投資を行うことをおすすめします。