記事

クラウドファンディング

2022.10.25

現物不動産投資と不動産クラウドファンディングの違いを徹底比較

現物不動産投資と不動産クラウドファンディングの違いを徹底比較

不動産クラウドファンディングが、いま新しい不動産投資手法として注目されています。これまでの一般的な不動産投資では、数千万円から数億円など、まとまった初期投資費用が必要でしたが、不動産クラウドファンディングは一口1万円など少額の金額で投資ができます。さらに、PCやスマホなどインターネット上で手続きが完結できるなど、これまで以上に手軽に投資ができるようになりました。現物不動産投資と不動産クラウドファンディングの違いについて、それぞれの特徴を比較していきましょう。

不動産クラウドファンディングの仕組みとは

不動産クラウドファンディングでは、インターネット上で投資家から資金を募り、その資金を元手に運用会社が収益物件の運用を行い、投資家は家賃収入や物件の売却益などの利益に応じて分配金を得ることができます。

クラウドファンディングの一種で、ここ数年、少額で不動産ができると人気が高まっている投資手法です。

不動産クラウドファンディングは、実際にマンションやアパートなどに投資する現物不動産投資にはない、次の3つの特徴があります。

 

<不動産クラウドファンディングの主な3つの特徴>

少額から不動産投資ができる

インターネット上で取引を完結できる

手間がかからない

 

不動産クラウドファンディングは一口1万円という少額から始めることができます。お小遣い程度の金額から気軽に投資することができます。

不動産クラウドファンディングの取引はすべてオンラインで完結できるため、手間がかかりません。物件選び、契約、配当の受け取りまですべてパソコンやスマホで完結することができます。

不動産クラウドファンディングでは、不動産を管理する必要がありません。投資した物件の管理・運用はファンドの事業者が行うので、管理に関する費用も不要で、最初に投資した出資額以上の費用は発生しません。

現物不動産投資と不動産クラウドファンディングの違い

(写真=PIXTA)

現物不動産投資と比較すると、不動産クラウドファンディングの特徴がより理解しやすくなります。

現物不動産投資の仕組みは、マンションやアパートなどの収益物件を購入し、それを貸し出すことで家賃収入を得るものです。現物不動産投資と不動産クラウドファンディングの違いは、次の3つが挙げられます。

 

①現物不動産投資は投資資金が多額になる

現物不動産投資では、まず収益物件を取得するために多額の投資資金が必要になります。初期費用がどれくらいになるかは、物件の種類や立地によって違ってきます。たとえば、首都圏であれば、区分マンションなら数千万円、一棟物件なら数億円になります。

投資資金がない場合は銀行など金融機関からの融資を受けることができますが、融資の審査を受けるために事業計画書などを作成・提出しなければならず、時間や手間がかかります。融資を受けた場合は、毎月の返済義務が生じます。

投資金額が多額ということは、まとまった金額のリターンを得ることができます。ローンを利用した場合は、少額の手元資金から多額の投資によるレバレッジ効果を期待することができることが現物不動産投資の魅力になります。

一方、不動産クラウドファンディングの場合は、投資金額は一口1万円のケースが多く、まとまった初期投資費用を用意できない人、気軽に投資をしたい人などと相性がいい投資といえます。ただし、投資資金額少ない分、リターンの額も小さくなります。

 

②現物不動産投資は入居者や物件の管理が必要

現物不動産投資では、物件の取得後に入居者や物件の管理が必要になります。具体的には、入居者の募集、契約手続き、クレーム対応、部屋の修繕・メンテナンス、家賃管理などです。

管理会社など専門業者へ依頼することができますが、管理会社の選定や委託といった作業と費用が発生します。

不動産クラウドファンディングでは、ファンドの事業者がすべて行うため、業者の手配等の手間はかかりません。少額から不動産投資することができ、運用の手間がかからないことが不動産クラウドファンディングの大きなメリットになっています。

 

③現物不動産投資は出口戦略が必要

現物不動産では、取得した物件を売却することで最終的な収支が確定します。この売却の過程を出口戦略といいますが、成立させるまでには買い手を探したり、売却価格を交渉したりといった手間がかかります。

売るタイミングを間違えれば得られる利益が減少してしまうことがあるので、注意が必要です。

出口戦略は不動産投資では必ず検討することであり、不動産投資を成功させるためには非常に重要なことですから、これから不動産投資を始めようと考えている人は、売却時のことを考えて投資を始める必要があります。

一方、不動産クラウドファンディングは、投資家が出口戦略を考える必要はありません。売却が必要になってもファンドの事業者がすべて実施してくれます。

不動産クラウドファンディングの選び方

少額投資といえども不動産クラウドファンディングにもリスクは存在します。不動産クラウドファンディングの選び方のポイントをみていきましょう。

 

チェックポイント①企業の信頼性

不動産クラウドファンディングに始めて投資する人は、収益物件の内容や利回りに目がいきがちです。しかし、大切な資金を預けることを考えると、まず重視したい点は運営会社です。

たとえば、運営会社が株式を上場している会社の場合、未上場の会社に比べると資本力が高く、倒産リスクも低いと考えられます。会社のIR情報をチェックすれば、経営状況を細かく知ることができます。未上場会社でも情報公開に積極的な企業も多く、経営状況に不安のない運営会社を選ぶことが重要です。

また、創業してからの社歴が長い、不動産事業の営業実績が多い会社だと、ノウハウや知識が豊富で信頼度が高いといえます。不動産業界での実績とは、自社物件の販売数、仲介件数、管理物件の件数や平均入居率などです。

 

チェックポイント②運用期間

不動産クラウドファンディングの多くは、運用期間を数ヵ月から数年程度に設定しています。基本的に取引後は満期まで解約することができません。自分の資金需要を考えて運用期間が問題ないかのチェックも重要です。

 

チェックポイント③案件の規模

案件の規模とは、募集金額の多さのことを意味します。人気のファンドは募集を開始して数分で完売してしまうケースがあります。紹介している案件が多ければ、それだけ選択肢が増えます。種類が豊富であれば自分の目的にあった不動産に投資することができます。

 

チェックポイント④投資家保護の仕組み

不動産クラウドファンディングの多くは優先劣後出資方式を採用しています。優先劣後出資とは、優先出資者のあとに劣後出資者が償還を受けるリスク回避システムです。

さらに、案件によっては、賃料保証する「マスターリース契約」、投資物件をある一定額で買い取る「買取保証」などがあります。

まとめ

不動産クラウドファンディングを活用すれば、個人ではなかなか投資できないような不動産にも1万円程度の少額から投資ができます。物件を管理する必要もなく、一度投資すればあとは配当金を受け取るだけです。

不動産クラウドファンディングは、まだ始まったばかりの投資方法です。一方で、手軽に始められる投資方法として人気を集めていて、市場規模は急拡大しています。

少額の投資ができるといってもリスクも存在します。不動産クラウドファンディングで投資を考えている人は、自分に適した事業者、不動産を選んで始めてはいかがでしょうか。

この記事を書いたスタッフ

OWNERS.COM編集部