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2026.03.18
「日本の借金が〇〇兆円を超えた」というニュースを見て、不安を感じたことはないでしょうか。「いつか増税されるのでは?」「物価や金利にどう影響する?」「自分の生活は大丈夫?」といった疑問を持つ人も多いでしょう。
本記事では、日本の借金と国債の基本的な仕組みから家計に影響が出やすい場面、そして個人でできる備え方までを整理します。ぜひ参考にしてみてください。
(※本記事では便宜上、「日本の借金」とは主に政府債務(国債など)を指します。)
この記事の目次
まず、日本の借金や国債について理解するために、基礎的な知識について解説します。
ひとつずつ見ていきましょう。
日本の借金といわれるものは、日本政府が発行する国債や借入金などの合計額です。2025年3月末時点で国債や借入金などをあわせた政府債務は、総額で1,000兆円を超えています。
(財務省 国債及び借入金並びに政府保証債務現在高(令和7年12月末現在)より)
この数字は、家計のローンのように「ある日まとめて全額返さなければならない金額」を意味するものではありません。つまり、今すぐ国が1,000兆円を用意して返済するという意味ではありません。
日本の借金と呼ばれる政府債務の中心は、国債です。国債とは、国がお金を借りるために発行する証券で、購入した人は定期的に利子(利付国債の場合)を受け取り、満期を迎えれば元本が返ってきます。
政府債務残高の約9割が国債で構成されており、税収だけでは足りない分を補うために国債が発行されています。
(財務省理財局 債務管理リポートより)
また、国債の返済期限がきても一括で返すわけではなく、新しい国債を発行して借り換えながら運用される仕組みです。
日本の国債は、主に国内の金融機関や公的機関が保有しています。財務省と日本銀行の統計によれば、国債保有者のなかで最も割合が大きいのは日本銀行であり、2025年9月末(速報)時点で全体の約50.0%を占めています。
次いで、銀行や保険会社・年金基金といった国内金融機関が多く、海外投資家の保有比率は6.6%です。
(財務省 国債等の保有者別内訳より)
つまり、日本の国債は海外よりも国内で保有される割合が大きいといえます。
国債の返済原資は、主に税収と新たに発行される国債です。国は国債の利子と元本を返す必要があり、その費用は「国債費」として毎年の予算に組み込まれています。
財務省の説明によれば、国債の利払いに税収などが使われる一方で、満期を迎えた国債は新たに国債を発行して借り換える形で対応するのが基本です。日本の国債は、毎年すべてを現金で返し切る仕組みではなく、予算のもとで長期的に管理されています。
日本の借金が家計に影響する場面を押さえることは、将来に備えるうえで重要です。ここでは主要なポイントを4つ紹介します。
それぞれ詳しく見ていきましょう。

日本の借金が家計に影響しやすいのは、財源確保のために税負担の見直しが議論される局面です。少子高齢化で社会保障費が増える一方、税収だけでは賄い切れず借金への依存が続いています。
財務省も消費税率引き上げの背景としてこの点を説明しています。
(財務省 消費税率引上げについてより)
負担見直しの議論では、家計への影響が意識されやすいのです。

国の債務が増え続けて財政への信認が低下すると、円安や金利上昇を通じて物価が上振れするリスクがあります。物価上昇(インフレ)が続くと同じ金額で買えるモノ・サービスが減り、家計の実質的な負担が増えます。
物価の動きは総務省が毎月公表する消費者物価指数(CPI)で確認でき、CPIの伸びに賃金や年金が追いつかなければ、実質所得は目減りしやすくなるでしょう。
インフレについては「【物価変動のキホンVol.2】「悪いインフレ」が進行中?2025年の日本経済」の記事も参考にしてみてください。

住宅ローンを組む・返す局面では、物価や金利の動きが家計に直接影響します。日本銀行は物価の安定を目的として金融政策を運営しており、物価上昇率の見通しや経済情勢などを踏まえて、金利を引き上げる方向(金融引締め)となる場合があります。
国の財政状況が直ちにローン条件を決めるわけではありませんが、物価や金利を通じて家計に影響が及ぶ点は押さえておきたいところです。

年金を受け取る時期は、制度の仕組みや改定ルールの影響が家計に表れやすい局面です。年金額は物価や賃金に応じて毎年度改定され、令和8年度においても年金額は増加しています。
| 令和7年度(月額) | 令和8年度(月額) | |
| 国民年金 (老齢基礎年金(満額):1人分) |
69,308 円 | 70,608 円 (+1,300 円) |
| 厚生年金 (夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額) |
232,784 円 | 237,279 円 (+4,495 円) |
一方、賃金や物価による改定率から、現役の被保険者数の減少と平均余命の伸びに応じた「スライド調整率」を差し引くことで、年金額の改定の伸びが抑えられる場合があります。
(日本年金機構 マクロ経済スライドより)
つまり、物価が上がっても年金の伸びが同じペースにならない場合があり、実質的な受取価値が目減りする可能性があるということです。
ここでは、個人レベルでできる具体的な対策について紹介します。
順に解説します。
日本の借金に備えるうえで、個人が最初に取り組みやすいのが家計の固定費の把握です。住居費や通信費・保険料などの固定費は一度見直せば継続的に節約でき、物価や税負担が変化しても家計への影響を抑えやすくなります。
物価が上がる時代には、現金だけに頼らず、資産をいくつかに分けて持ちましょう。預金は価格変動が小さい一方、インフレ局面では購買力が目減りしやすいため、株式・債券・投資信託・ゴールド・不動産など、複数の資産を組み合わせて保有することが大切です。
少額での投資については「【初心者向けシリーズvol.2】毎月1万円からできる投資生活の始め方」の記事も参考にしてみてください。
将来の物価変動などに備える方法として、NISAなどの制度を活用し資産のリスクを分散する方法があります。NISAは投資で得た利益が非課税となる制度で、値動きのある資産を組み入れることでインフレによる現金価値の目減りに備えやすくなります。
新NISAについては「2024年1月からスタートした「新NISA」だが…そもそもどんな制度なのか?メリット&デメリット【CFPの解説】」の記事も参考にしてみてください。
日本の借金は、住宅ローンのように「期限までに全額返す」ものではありません。それでも、家計への影響は増税や物価上昇・金利の変動・年金額の伸び悩みといった形でじわじわと現れます。
だからこそ、固定費を見直して支出に余裕を持たせ、預貯金だけに頼らず資産を分散させることが大切です。
なお、資産分散の選択肢として、少額から始められる不動産クラウドファンディングもあります。元本保証ではないものの、物価上昇に強い実物資産である不動産に手軽に投資できる点が魅力です。
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