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不動産投資

2026.01.07

不動産投資でFIREは本当にできる?目標金額と計画の立て方【FPが解説】

不動産投資でFIREは本当にできる?目標金額と計画の立て方【FPが解説】

「会社に縛られない自由な生き方をしたい」「経済的な自立と早期リタイア(FIRE)」は、多くの人が憧れるライフスタイルです。しかし、本当に不動産投資だけでFIREは可能なのか、疑問に感じる人もいるでしょう。この記事では、FIREを達成するための具体的な目標金額の算出方法から、不動産投資を活用したFIRE計画の立て方まで、具体的なステップで解説します。あなたの「自由な働き方」への第一歩を応援します。

FIREとは?FIREの種類とメリット・デメリット

FIREは、運用によって資産を形成し、労働収入に頼らない生活設計を行うライフスタイルです。欧米で流行していた「Financial Independence, Retire Early」という考え方が元になっています。日本でも近年注目されるようになり、“経済的自立”と“早期リタイア”を意味する各単語の頭文字をとって「FIRE」と呼ばれるようになりました。

 

多額の資産を貯蓄し消費しながら生活する、従来の“早期リタイア”とは異なるのは、生活費を運用で賄えるだけの元本が貯まれば、その段階でリタイアするという点です。退職までに準備すべき資金が少なくても済むので、一般的なサラリーマンでも投資や副業、節約などによって早期に資産形成することで、実現の可能性が大いに高まります。

 

FIREの種類

上位に記載しているFIREほど高い資産が必要で、達成のハードルが高くなります。下にいくほど実現しやすいスタイルです。

 

1. ファットFIRE:贅沢も資産運用だけでカバー

仕事は完全にリタイアし、生活資金だけでなく贅沢のために使う資金も資産運用の収益だけで賄える、高額な資産を保有している状態です。

 

2. リーンFIRE:生活費のみを資産運用でカバー

仕事を完全にリタイアし、生活資金だけが資産運用の収益で賄える資産状態。一般的にFIREといえばリーンFIREを指します。

 

3. サイドFIRE:副業で不足を補う

仕事は完全にはリタイアせず、資産運用の収益を主な収入源としながら、フリーランスや個人事業主による副業収入で不足分の生活資金やゆとり資金などを補うスタイルです。

 

4. バリスタFIRE:労働割合がやや多め

サイドFIREより、パートやアルバイトなど労働者としての収入の割合が多いスタイルです。

 

5. コーストFIRE:資産はあるが好きな仕事は続ける

リタイア後の資産形成は必要とせず、資産運用の収益によって生活資金は賄えますが、社会と関りを持つために好きな仕事を続けたい人が選択するスタイルです。

 

FIREのメリットとデメリット

続いて、FIREのメリットとデメリットをみていきましょう

 

FIREのメリット

● 生活を維持することが目的の仕事にとらわれることがないので、ストレスが減る。

● 自分のペースで社会とつながることで、自由に使える時間が増える。

● 通勤の都合などを考えず、住みたい場所を選ぶことができる。

● FIREを実現したあとの時間的、経済的な余裕を活用して、新たなことに挑戦しやすい。

● FIREの実現を目指す過程で、マネーリテラシーが向上する。

 

FIREのデメリット

● 運用は、安定した利回りが将来も続くということは保証されていないので、不安定さがある。

● 急な支出への対応が難しい場合が考えられる。

● キャリアが中断することで、再就職は困難になる可能性がある。

● 老後の年金受給額が減る。

 

FIREは人生の選択肢の一つです。FIREを目指す場合は、FIREのメリットとデメリットをよく理解しましょう。ご自身のライフプランに合ったFIREの形を選択することが、成功へのポイントとなるでしょう。

 

不動産投資がFIREに適している理由

不動産投資は、アパートやマンションなどの不動産を購入して運用し、家賃収入や売却益を得る仕組みの投資方法です。入居者が安定的であれば、長期的に収益を見込める投資方法で、株式投資などと比較すると、ミドルリスクミドルリターンで比較的リスクが低いといわれています。不動産投資がFIREに適している主な理由は次の通りです。

 

理由①レバレッジ効果

不動産投資では、金融機関から資金の借入れを行い、不動産投資ローンを利用できます。たとえば、自己資金1,000万円で1,000万円の物件を購入するより、4,000万円を借入れ5,000万円の物件を購入すれば、より条件の良い物件を購入することが可能になります。大きな収益を見込むこともできます。

 

理由②インフレ対策になる

不動産は、物資産ですから、インフレによる資産の目減りを受けにくい特徴があります。住まいは、景気が良い・悪いにかかわらず一定の需要があるため、定期的に家賃収入を得ることが期待できます。

 

理由③管理会社の活用で手間がない

入居者の募集や物件管理のような、運用にかかる手間は、管理会社を活用すれば大幅に減らすことが可能です。

 

理由④節税効果が期待できる

不動産の購入や維持のための費用は、経費として計上できますので、収益にかかる税金の節税効果が期待できます。

 

不動産でFIREを目指すための具体的な戦略

不動産投資を始める際に、どのような地域でどのような物件を購入したいか、どのくらい規模を拡大するか、定期的な不動産のメンテナンスや管理会社の活用について、ご自身のライフプランに最適な売却時期について、などの投資戦略が重要です。

 

また、十分な自己資金を準備しましょう。自己資金がない場合は、突発的に発生する修繕費用などを支払えなかったり、空室などのために収益が得られなかったりするときに、ローンの返済ができない事態に陥る可能性が考えられます。

 

不動産投資にはリスクも伴います。不動産投資について学びを続け、パートナーとして信頼できる不動産事業者や専門家の意見も参考にしながら、FIRE実現に向けて取り組んでいきましょう。

 

生活費・資金計画の考え方…FIRE後のキャッシュフローシミュレーション

 不動産投資の収益だけで、ゆとりのある生活を送るためのキャッシュフローを実現するには、どのくらいの収益があればよいのでしょうか。

 

公益財団法人 生命保険文化センター『2022(令和4)年度 生活保障に関する調査』によると、ゆとりある老後生活を送るために必要と考える金額は、平均で37.9万円となっています。この金額は、あくまで平均です。「20万円未満」という人もいれば、「50万円以上」「わからない」、という人もいます。

 

必要な生活資金はFIREの達成年齢によって異なりますが、ここでは「37.9万円」という平均値を基準にシミュレーションを行ってみましょう。

 

厚生労働省『令和7年度の年金額改定について』によると、令和7年度、夫婦二人が受け取る平均的な厚生年金額は、約23.2万円。ゆとりある老後生活のために必要な生活費との差額は、14.7万円、年額で181.2万円です。

 

不動産投資によるリターンを3%とした場合、年間181.2万円が手元に残るためには、6,040万円規模の物件が必要であるということになります。希望する収益の金額によって、物件の規模は変動しますので、ご自身のライフスタイルに合わせた収支をシミュレーションすることが重要です。

 

必要な物件規模を一度に達成できるだけの自己資金を準備できている人ばかりではないでしょう。少しずつ物件規模を拡大して、目標の収益に近づけていく計画を立てることになります。ただし、あくまで目安ですので、予期せぬ出費などで変動する可能性があります。FIRE後の生活をより安定したものにするには、柔軟に計画を修正することが重要です。